二匹目 ~(リニア内にて C・>
今後は、少しづつの内容を頻度を上げて更新したいと思います。
このシリーズに限った話ですが。
《西暦※※※※年 八月 八日AM10:05》
座席表を片手に、開いた扉から中に入る。
俺はリニアに乗り込んだ。
それだけの事に、やたらと緊張している自分がいる事に気づく。
なぜなら、心臓の音がえぐいからね!
しかし、無理もないと思って欲しい。
なぜなら今日は、画期的な新技術を導入した、世界最先端のリニアのテスト運行なのだから!
これには、普段はインドア派の俺もテンションもマックスハート。
え?
なんの技術なのかって?
.........さあ?
いや、だって知らないもん!
弁明させてもらうと。
公開された情報では、『我社最高傑作』とか、『最新鋭の電磁誘導機器』とか、曖昧な事しか書いてなかったんだもの。
え?
そんなんによく応募したな、って?
再び申し訳ない。
.........さあ?
これも、俺じゃねーもん!
釈明の余地は残されているはずだ。
まず軽く説明すると。
1: インドア派の俺に対し、家族はアウトドア派。
2: 何故か(本当に訳が分からんのだが)家族がこのイベン
トを知る。
3: 俺はこういう機械とか、嫌いではない。
4: 家族が応募。
5: 何故か(本当に、本気の方で、ガチで意味が、どころか
訳が、さっぱりわからんが)当選。
分かったか?
うん、俺は分かってない。
そんな事を思案しながら、背もたれにもたれていると(これって重複してないよな?)、誰かが近づいてきた。
「ワーオ! これがリニア! これがジャパニーズドリームデスカ!」
多分違う。
他人の独り言に突っ込んでも仕方ないから、言わないけども。
「はー、ホーント、凄いデスネー。ガサゴソ、ガサゴソ」
口で言う効果音ではないと思う!
「ガシャーン! ドカーン! バリーン! ズモモーン!」
こいつは自分のカバンに何が入ってる設定にしたいんだ!?
「あ、ありマシタ、ざせきひょー! これを、こうして、あれ? こう、カナ? あれ、アレレー?」
「あの、お困りですか?」
独り言を聞いていた罪悪感から、つい声をかけてしまった。
ご感想お待ちしております!