十八匹目 ~(第一魔物、遭遇 C・>
~( `ϖ´)<お久ですー
《天暦※※※※※※年 八月 八日 AM2:00》
俺は今、この世界に来て、早すぎるピンチに向き合っていた。
フード付きローブの女性に連れられてやって来た、この家。
家主がいない、と言うか別の部屋へ行ってしまった場所で、客人たる俺は、(おそらく)招かれざる客に対し、何をすべきか。
俺はそれだけを考える。
《とりあえず、暗黒は刺客を覆い隠すは使っときなよ。念には念を入れて》
《あ、ああ、そうだな》
ドーナにそう言われ、俺は左手の甲を右手でなぞった。
そして現れるステータスウィンドウ。
その中の、[超異能]の項目の中にある、《暗黒を纏いし者》の欄まで、右手でスクロールさせる。
が。
《あ、くそ、これ、やっぱりムズい》
そう、今の俺の右手、と言うか全身は、最も有名なげっ歯類のそれ。
そのままの手で、ウィンドウスクロールは、意外と難しかった。
とはいえ、ただ手を上下に動かすだけであり、三回目というのもあって、しばらくすれば慣れた。
無事に《暗黒を纏いし者》の欄に届き、その中の《暗黒は刺客を覆い隠す》の表示を軽くタップする。
『ON/OFF ※ 現在は《OFF》です』
そしてこの文が現れる。
《えっと、確か、切り替えたい方の文字をタップ、だよな?》
《そうそう。二回目なのに、意外と手馴れてるねぇー》
《馬鹿言え。緊急事態だから、頭フル回転で思い出してんの》
言いながら、俺は《ON》をタップする。
そうすると、体が黒い何かに包まれるような、周りの者全てとの関わりが絶たれたかのような、相も変わらず不思議な感覚が俺を襲う。
不快な感じはない。
その代わり、妙に体の密度が減ったような、そんな気がした。
「────ぇ、─────ぃ?」
「────ぁ。─────よ」
「────が。─────ぃ」
あ、なんか、あいつら喋ってる。
少し心に余裕が持てたし、扉に近寄ってみた。
バレないとは思いつつも、なんとなくの癖で、そぉっと扉に耳を当てる。
.........実はこれも難しい。
体の向きや頭の角度なんかを意識しながら、何とかちょうどいい場所に耳を置けた。
「─────しょうがないわね。じゃあ、あと五分だけ待ってみましょ」
「─────そッスね。.........いやぁ、それにしてもオレ、お腹すきましたッス」
「─────ふ、もう少しの我慢だ。もう少しだけ我慢すれば、大きくて、歯応えのある、最高の食べ物が得られるぞ」
「─────まあ、そうね。ここ最近は、めっきり食べられなくなっちやってたから、楽しみだわ」
「─────確かにそッスねぇ。近頃は、冒険者なんかも見なくなったッスからね」
「─────アレは、一度食べると病みつきだからな。ふふ、歯が疼く」
.........あれ、コイツらかなりやべぇやつなんじゃねぇの?
~( `ϖ´)<ご感想お待ちしております!




