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倒した後で

 フィリは俺の言葉に迷ったようだが、


「この敵、二人をヒロはどうするおつもりですか?」

「何処かに飛ばすかな。この二人は強いから生き残れるだろう」

「とどめを刺さないのですか? 後で後悔しますよ?」

「心配してくれてありがとな」


 フィリに俺はそういうと、フィリはうッと小さく呻いて黙ってから、


「ヒロと一緒に居ると、調子が狂います」

「よし、これからも頑張って狂わせよう。あー、フィリが起こる前にさっさと保管場所に放り込むか」


 俺は小さく呟いて、離れた場所に転送しておく。

 これでしばらく戻ってこれないだろう。

 それから俺達は再び城に戻り、土人形と四天王を倒したお祝いを城の部屋ですることになったが、戻ると勇者イズキが目を覚ましていた。


「……レイナ様に……桜にヒロ、どうしてここに?」

「それは俺が聞きたい」


 イズキに聞くと、どうやら俺の知り合いであったようだ。

 そして魔王だと俺の事を聞くと、


「倒した方がいいのか?」

「人畜無害な魔王なので放っておいてください」

「分かった」


 といった会話をする。

 また、色々と話の説明が必要なのも含めて、元魔王のイザベラをこの城に呼ぶことにした。

 彼女を呼ぶとフィリが嬉しそうにお姉様と抱きついたり、と仲良さそうで微笑ましい、と思っていたのだが。


「イザベラ」

「イズキ……生きていたのね」


 イザベラはイズキが死んだと思っていたらしく、涙目で抱きついていた。

 それはもうお互い思いあう恋人同士のように。

 故に、お姉様大好きなフィリが別な意味で涙目になっていた。


 またイザベラから、フィリに俺が転生? させられたらしいと聞くと、


「転生ですか? 転移でなく?」

「え?」

「確か転移系の魔法しかフィリは使えなかったはずですが」


 なので問い詰めると、俺を最強魔王に仕立て上げて、復讐をするために操りたかったがためにそう語ったらしい。

 そして謝られて、


「これからもこの世界でヒロは魔王をやってくれますか?」

「それはまあ、皆もいるし。というかもとの世界に戻る方法はフィリは知っているのか?」

「古い文献では読んだことがあります」

「内容は」

「調べないとちょっと」


 と言い出し、他にも桜やイズキに聞いても元の世界に帰る方法が分からなかったのでその古い文献を探しに行き、結局この世界と行き来することに。

 そんな俺が、“常闇の魔王”を倒したり、最強勇者インガに気に入られたりして、この世界で最強のエロ魔王と呼ばれるのはそれから一月後の事だったのだった。



「おしまい」

ここまでお読みいただきありがとうございました。最後の方が駆け足になってしまいましたが、どうにか完結です。また何か描きましたらよろしくお願いします。


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