勇者が攻めてくる……かもしれない
こうして俺の命と繋がっているらしい凶悪? かもしれない美少女をナデポ状態にしつつ、次の段階に移ることにした。
「それでフィリ、俺が魔王なのは分かったが、どうすればいいんだ?」
「うにゃぁ……もっと丁寧に撫でないと答えないのです」
「……なでなで」
とりあえず、注文通りに丁寧に撫でると幸せそうな顔になりながらフィリが、
「まずは破壊者としての魔王として君臨しなければなりません。魔王は、人間の年を破壊し奪い去り殺戮してこそ魔王ですから」
「……色々と思う所はあるが、続けるように」
「はい、そして、配下の人物達を集めてから、次は魔王同士の戦いを始めます。それに勝利すれば相手の魔王の領土もサクッと手に入ります」
「……領地の奪い合い、なのか?」
これ、魔王である必要あるのかなと俺は思っているとそこで更にフィリが、
「また、魔王には魔王を倒すための“勇者”という物が人間の方から派遣されてくることがあります。人間の国を攻めると現れて攻撃してくる強い人物達で、一人の場合も複数人の場合もあります。ただ大国の場合が複数人の強い勇者を抱えていたりする事が多いですね」
「そうなのか。そんな沢山来るかもしれないのか」
「ええ、そして、大抵勇者は目覚めたての魔王を殺しに来ます」
そう言いだしたフィリに俺は凍り付く。
ちなみに俺は今、目覚めたばかりだ。
つまりこれから大忙しになるかもしれない。
そんな焦燥感に駆られている俺の事など微塵も気づかずにフィリは、
「やはり経験が少なく、まだ魔法の能力にそれほど慣れていない状態での“抹殺”が目的なのでしょう。実際にその状態で打ち取られた魔王は数多くいますからね」
「そ、そうなのか。でも魔王が生まれたって人間側には分かるのか?」
「もちろんです。大抵国の幾つかに観測所があり魔王の魔力を観測する場所があるのです」
「そうなのか。それでこの、多分魔王場だよな? これ、突然できるのか?」
「はい、呼び出した魔王に応じてふさわしいものに。これほど立派なものは今まで私も見たことがありませんから、おそらく、“力”だけは最強でしょうね」
どうやら俺は最強であるらしい。
だがそうなってくると、
「後どれくらいで勇者がやってくるんだ?」
「さあ? 魔王が現れると同時に出動するような存在ですからここからその国までの距離と転移魔法の精度が重要になってくるのでは」
どうやら観測してからやってくるので、そこそこ時間があるらしい。
俺は魔法の練習をすることに決めた。
だがここである疑問がわく。
「魔王だから力に飲み込まれて殺戮を始めたりするのか?」
「だったら今頃は喜々として人間の町を破壊しに行っているでしょうね。はあ、こんなエロ魔王が目覚めるとは」
フィリに何故か切なげにそう呟かれてしまった俺。
そんなことを言われてもなと思いつつ、
「勇者にはチート能力があるのか?」
「ありますよ~」
「そうなのか。だったら俺もチート能力を目覚めさせねばならないが、どうすればいいんだ?」
「さあ」
そこで問いかけるとフィリは、よく分からないといったように首を傾げた。
だが俺にとって死活問題なそれに俺は、どうしようか、そう悩んでから俺はとりあえずお約束の言葉を呟いてみる。
「“ステータス・オープン”!」
それと同時に俺の能力が表示されたのだった。
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