治療道具
見つけた治療道具二つほどフィリ達に見せる。
「これは……何ですか?」
四角いペン立てのようなものがあって、そこには細い鉛筆ほどの円柱が十本ほど突き刺さっている。
これはこのペンタ手に入れることで魔力が充填されるようだ。
因みにこの充電器のようなものが俺が触れて回復させるらしい。
初め画からだったので試しに触れてみると、ほとんど魔力が減らなかったので、特に問題はなさそうだ。
そして何かとフィリが怪訝そうに言うので、
「これは魔力、体力を回復させ、怪我をした時は自動で修復させる道具だ。この虹色がなくなり透明になったら魔力切れだから、再度魔力を充電しないといけない。一人一つづつ渡しておく。説明によるとフル充電で、三回死ねる程度の治療能力があるらしい」
「……全力で振り切れたような治療道具ですね。よくこんなものが……魔王城の宝物庫の品と言っても、こんなもの他に持っている人はいないのでは?」
「かもしれない。もう一つは精神面での治療道具。幻覚などに対抗する魔道具で、これは指輪だ。人数分あるからそれを全員つけてくれ」
俺はそれを自分の指につけながら、他の全員にも渡しておく。
そこで桜が、
「いいの? 私はヒロの敵の勇者だよ? 勇者にそんな道具を渡しちゃっていいの?」
「これから危険な四天王の部下と一緒に戦うんだから“仲間”だろう。それにもしお城に入り込まれたり何かした時に、怪我をされても困るからな」
「ふーん、お人好しね。でもありがたく貰っておくわ。ヒロに貰った、お揃いの“指輪”だしね」
「? 全員同じ指輪だぞ」
「いいのいいの。……このラノベみたいな鈍感主人公が」
「桜、今何か言ったか?」
「なーんにも。せっかくだから中指にしましょうよ。ほらほら」
そう言って俺は、桜に言われるままに中指に指輪をはめ込むことになった。
するとそこでフィリが、
「他にも治療系の魔道具があるのですか?」
「結構たくさんな。その一方で服を溶かしたりするだけのエロ道具といった物もたくさんあって、良さそうな治療道具を探すだけでも精一杯だった。でも次は武器を探すな」
「……治療系とエロな道具がいっぱい……しかも武器が少ない……魔王の宝物庫は魔王の性格が反映されるわけで……どれだけヒロは温厚でエロい魔王なのですか」
絶望したようにフィリが呟いているが、そんなことを言ってもなと俺は思った。
そしてフィリにまた色々とお説教をされる前に、聞くことが俺にはあった。
「それで全員の使える武器のを教えてくれないか? それで探すから。とりあえず桜の剣だが……」
「あ、私は今の武器で十分よ」
「そうなのか? じゃあミストレア姫は……」
「私は基本銃ですから」
なかなかな武器である。
というわけでまずは姫の銃を探して、
「使い方に寄っては周囲を焼き尽くすらしくて危険だから、これは後で返してな」
「え? この指輪とかは?」
「あ~、じゃあそれらも後で返してな」
と俺がミストレア姫に言うと、言わなければよかったですねとミストレア姫が笑ったのだった。