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魔王の城の結界

 魔王の城の制御室に辿り着いた俺は、まず結界を生じさせようと思った。

 だがこう見えて、様々なボタンがそこら中に並べられていて、目的のものを探すだけでも一苦労だった。

 ボタンの下に書かれている文字を読み解いていくと、そこそこいろいろな機能がこの魔王の城にはあるらしい。


 “魔王城変形”とか。

 色々と気になったというかスイッチを押してみたい衝動にかられたが、今はそれどころではないので我慢した。

 そうして探していくと、大きな球状のものが埋め込まれたものの上に、その結界のスイッチがあった。


 そこに触れると、球のようなものが点滅するように赤く光って、


『その球に触れてください』

「く、また野太い男性の声が。……説明は文字か、女の子の声が良かった」


 説明があるのは嬉しいが、こうも野太い男性の声ばかりが流れていると俺の趣味が誤解されかねない気がする。

 やはり女の子の方がいい、大きいのも小さいのも、おっぱい的な意味で大好きです、そう心の中で愚痴りながら(傍にフィリがいたため)、その球に触れる。

 何かが俺の中から何かが抜ける感じがしたが、体には問題はなかった。と、


『魔王城の結界が作成されました』

「なるほど。でもどれくらい魔力が減ったのかとか、どのくらい強力かは分からないのか。あ、どれくらい魔力が減ったのかは、“ステータス・オープン”で見ればいいのか」


 というわけで“ステータス・オープン”を行うと、俺の魔力が少しだけ減っていた。

 だが大した量ではなく、現在もどんどん回復している。

 それを見ながら俺は思った。


「結界の強さって、調整できるのか? もし出来るなら強めの結界にしたいんだが……」


 そう思っていると、何もない部分が突然へこんだかと思うと、すっとパネルが出てきた。

 古き良き時代の特撮物のような感覚を覚えつつ、そのボタンは平面に描かれた光の文字ボタンなあたりは未来的である。

 結界の形状についても記載があり、


「この魔王の城を包み込むための、球の形、四角い形、三角、半球、特定方向だけのものと設定ができるのか」


 構造、といった部分のボタンを押すと、さらに細かい設定のできるらしいボタンが出てくる。

 それを押すボタン以外にも前のボタンに戻るボタンがあったりして、まるでコンピュータでこう設定してくださいといった説明書きを読んでいるように見えた。

 非常に分かりやすくて便利だが、


「なんでこんなに俺達の世界のものに似た形になっているんだろうな」

「これはヒロの世界に似たものがあるのですか? 私はこんなもの見たことがないのですが?」

「あるぞ、こういうの」

「そうなのですか……おそらくはヒロという魔王の経験などが一部流用されてこの城自身も作られているので、その影響を受けてこのようになっているのでしょう」


 どうやら俺の経験がこの魔王の城にも反映されているらしい。

 面白い世界だと思いながら、設定をしていく。


「まずは球状にして地面を掘って城を攻撃できないようにして……結界が弱になっているから強にして……というか最強って何だ? 分からないからこれくらいで結界を設定してどれくらい魔力が減るのか見てみよう」


 というわけで設定を施し、決定ボタンを押して球に触れる。

 先ほどよりは魔力が減った気がしたが、“ステータス・オープン”を使って魔力の残高を見てみると、


「十分の一にもいっていないな」


 という事が分かったのだった。

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