魚を食べに行きました
こうしてまず初めに連れていかれた魚のお店に着いた。
スパイスに関しては俺はよく分からないが、以前、母が料理の本を見ながら作った何か変わった料理で嗅いだことのある匂いだと思った。
味自体は申し分なく、香りもそこまで気にならないというか好みの物だった。
一言でいうととても美味しかった。
今回俺が食べたものは魚のフライに変わったソースがかけられたものだった。
高級料理店というよりは、町の定食屋といった風な場所である。
セットメニューが安いのでそれを俺達は選んだ形だった。
ちなみにフィリは焼き魚で、それもまた変わったスパイスが聞いているらしい。
それをフィリが美味しそうに食べて、笑っている。
自然と表情が緩むような美味しさ、だからそうなるのは当然なのだが、そこでフィリの顔を見ている俺にフィリは気づいたらしい。
「なんですか、こちらの方を見て」
「いや、美味しそうに食べるなと思って。フィリは魚が好きなのか?」
「いえ、私は美味しい物なら何でも好きなだけです」
「そうなのか?」
「そうなのです」
フィリはそういった再びフォークで焼き魚に手を付ける。
ただこうやってかわいい女の子が美味しそうに食べ物を食べているのを見るのも、なかなか楽しいよなと俺は思ったりした。
こうして魚を食べた後は、お菓子の店に行く事に。
そのお店はどうやら中で食事ができるようになっていたのだが、
「あの、フィリ」
「何ですかヒロ」
「仲が女の人ばかりなんだが。男が一人もいないんだが」
「? それがどうかしましたか? ハーレムの気分が味わえていいでしょう?」
などとフィリは言う。
だが、確かに女性が周りにいるというのはハーレムのようではあるがそういった場所に愛りこむ居心地の悪さという物があるわけで……と思っているとフィリに手をひかれた。
女の子と小さな手が、俺の手と重なる。
く、反則だと思いながらもそのまま店内に入り込んだ俺は、諦めてケーキを選ぶ。
ガラス張りのショーウインドウは俺達の世界と変わらない。
見たことも無いかずつの乗ったケーキや形をしたものが並んでいるが、俺達の世界にあるようないと御ショートケーキのようなものもある。
とりあえず俺はそれに決めるとそこでフィリがケーキを頼む。
次は俺かと思っているとそこでケーキを売るお姉さんに、
「彼氏の方はどういたしますか?」
「え! い、いえ、俺達恋人同士ではないです」
「あ、そうなのですか、え、えっと、どれにいたしますか?」
という会話をしてから俺もケーキを頼む。
まさか彼女いない歴=年齢が、こんな場所で彼女がいると間違われるとは!
そうか、これがリア充という物だなと俺は理解した。
したけれどフィリは別に彼女ではないわけで、と俺が考えているとそこで、
「ヒロ、また変な事を考えていますね」
「い、いや別に。ほら、飲み物を選べるらしいぞ」
といって俺は慌てて話を変える。
フィリは何か言いたそうに頬をほんのり赤らめているが、小さく、恋人同士と間違われるとは思いませんでした、といっていたのを聞いた。
確かにアレは驚くなと俺も思った。
それから飲み物を受け取りケーキを食べる。
それはとても美味しいものだった。
こうして楽しい食事の時間を終えた俺は、フィリに連れられて服を見に行く事になったのだった。
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