微睡みの中
昔から、ひとりが好きだった。
生きていれば誰しも経験するだろう程度の辛いことを経験し、きっと弱いんだろう私は人に期待するのも信じるのも、諦めてしまった。
そんな私に恋人と呼べる人が出来てからも
特に変わりはなく、私は私だった。
彼と出会って退屈な時間は減ったけど、特別日常が色付くようなことはなかった。
ただ私のつまらない日常を、彼は受け入れてくれた。
私は私のままでいいと、彼は言った。
こんなクズのままじゃダメだろうと私は思ったけど、そう言ってもらえたことが少なからず嬉しかった。
環境のあまり良くない家庭に育った私は、彼と過ごす時間が増えれば増えるほど、家にいるのが苦痛になった。
3日間彼と過ごし、久しぶりに帰ってきた家は、時間が止まっていたかのように変わらなくて、だけどやっぱり、いつも以上に窮屈に感じた。
3日しか空けていなかったのに、ひと月ぶりに帰ってきたような感覚で、寝床についてもなんとなく落ち着かなかった。
眠れるまで、天井を見つめながらいろいろ考えた。
これからのことだったり。自分のことだったり。いろいろ。
その中でも結局は彼のことを考えることが多かった。
期待も信用も諦めたはずだった。
私は、ひとりが好きなはずだった。
ひとりで眠るのはこんなにも寂しかったかと
微睡みの中、ふとそんなことを思って瞼を閉じた。




