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赤い雨  作者: 結城陸空
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Act6:暴走

 リタを撃ち殺した白衣の男は銃を下ろすとリタの死体に背をむけた。

するとビルの中から数人の兵士が出てきた。なにやら混乱しているようだ。

「どうした?少年の実験は成功したのか?」

白衣の男は兵士に聞いた。

「ハ、ハイ!実験は成功しました!しかし、突然少年の体から熱が発生しだしたんです!」

「なんだと!?熱?」

すると突然ビルの雲より上の部分から爆発音が聞こえた。その爆発は地面も揺るがすほどだった。それとともに警報が激しく鳴り響いた。

『暴走だ!全員緊急退避せよ!暴走だ!全員緊急退避せよ!』

「暴走?」

ビルの中から兵士達と白衣を着た研究者達がいそいで出てきた。眼鏡をかけた長身の白衣の男は近くを通った白衣の男の腕をつかみ聞いた。

「なにが起きたんだ?」

「暴走だ、今日実験する予定だった。レンという少年に核を移植する実験。実験は成功したんだが実験が終わった瞬間、少年の体から高熱が発生しだしたんだ。さっきの爆発は近くにあった機械が熱にやられたんだろう」

「核融合が起こってるんではないのか?」

「意思一つで爆発させることができるんだ。ないとは言い切れないが・・・、とにかくいまは逃げることだ。もし核爆発が起こればこんな島など跡形もなく吹き飛んでしまうぞ!!」

そういうと白衣の男は眼鏡をかけた白衣の男の手を振り払い逃げていった。そして眼鏡をかけた白衣の男は一人ビルの中へと入っていった。


ビルの中にはエレベーターがいくつかあったが白衣の男は横にある階段を使った。とっさにエレベーターが止まったときに困ると判断したのだろう。

白衣の男は階段を必死に上がった。しかし高すぎるビルにすぐに体力は奪われ、休憩しながら少しずつ登っていると、あっという間に夜となっていた。

そして白衣の男が辿り着いたのは空の見えるビルの屋上だった。

空は暗く雨が降り出してきていた。白衣の男は息を切らしながら、前を見た。


そこには、レンと思わしき人間が雨の中、ひとり空を見つめて立っていた。


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