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苦悩シリーズ

ティッシュの苦悩

作者: 若色 アオ

前回が地味に好評だったので、調子に乗ってもう一つ書いちゃいました。そして更にシリーズ化までするという暴挙・・・!

前作を読んでなくても問題ないように書きましたが、それでも前作を読むに越した事はありません。シリーズ化したので、前作から読みたい場合は、上にある『苦悩シリーズ』タブをクリックしてください。


今回は、前作の注意を実行して少し抑えてみました。(それでもやっぱり勢いはいいですが)そして、碌に抑えられてもいないくせに文字数が多くなってしまいした。・・・精進せねば。


そして、この話はおそらく最近流行の転生?ものです。

誤字脱字などがありましたらご報告ください。

俺の名前は堺浩太。バリバリ青春をエンジョイしている高校二年生だ。

そんな俺はただいま学生としての本分、存在意義を全うするとても大切だがそれと共にとても退屈という事象も内包している事柄―――通称授業を受けている。


ただ今世界史Bをやっているが、周りを見渡すと眠そうにしているやつが殆どだ。中には実際に寝ているやつもいる。しかし、そんな中真面目に受けている人物もちらほらいる。

そしてふと、俺の視線が捕らえた人物もまた、真面目に受けている人物の一人だった。


その人物は、学校内でもトップクラスのルックスを持ち、校内ではファンクラブもあるとかないとか言われてる程の女の子だった。

俺の目から見てもその女の子のルックスは目を見張るものがあり、ファンクラブの存在が懸念されてもおかしくないと思う。


しかし、俺はその娘の事は嫌いではないが、面識のない娘は好意の対象から外しているので、好きという感情を持ち合わせているでもない。


新学期、それも新学年の始まりなので、俺はクラス全員の顔と名前を覚えてはいない。あの女の子も、人の噂を軽く小耳に挟んだ程度の事しか知らない。というか、あだ名で呼ばれているので名前もよく分からないという現状。


つまり何が言いたいのかというと、別段好きでも嫌いでもない女の子(しかも名前すら知らないような相手)を見ているのはどうよと、そういう事である。

そういうわけでその女の子を視界から外し、特に面白くもない授業に意識を傾ける事十数分、漸く授業が終わって開放された。


季節は春、始まりや出会いが期待される季節だ。そんな、プラス面しかないように思われるこの季節だが、やはりマイナスの面というのも内包している。いつの世の中も、どんなものにも表と裏があるように、プラスとマイナスが存在しているものだ。

まあ要するに、出会いや始まりが期待されるこの季節だが、何が悪いのかというと―――


「ふぁっ、クション!!」


ズズッ


まあ、つまりはこういう事。花粉によるアレルギー反応が活発となる季節なわけですよ。

見れば花粉によるアレルギー反応―――通称花粉症―――を起こしている人たちがちらほらいる。そんな人たちは、自分でティッシュを持ってくるか、教室に置いてあるボックスティッシュを使っている。


俺も花粉症なのでこの季節は辛いものがある。なので、常にポケットティッシュを常備している。


取り合えず鼻をかみ、開放感から来る快楽に身を委ねているただいまの時間は昼休み。他の人は弁当を広げたり購買に走ったりしている。(というか、この時間に急いで行ってももう碌なものは残っちゃいないだろうが)


そして俺は弁当一派なわけでして、鞄をガサゴソと漁り弁当を取り出す。


ガサゴソ、ガサゴソ


・・・取り出す。


ガサゴソ、ガサゴソ、ガサゴソソン


・・・変な擬音が聞こえるな。そして中々でないな、弁当。・・・このシャイボーイめ。


ガッサンゴッソン、ガッサンゴッソン


・・・無い。


「ヤバイ。弁当、忘れちゃったよ・・・」


どうしよう。さっき取り出すとかナレーションしたのに取り出せ無かったって、うわー・・・


「は、恥ずかしい―――」

「―――って、そんな事言ってる暇じゃないよな。どうしよう」


今から弁当を買いに行く―――駄目だ。もう何も残ってないだろう。

だったら学食に行く―――そもそもこの学校学食無いじゃん。

食べない―――まあ、頑張るか。


というわけで、今回の作戦は「ご飯を食べない」となりました。

うん、それじゃあ体力消費を抑えるためにも寝るか。


「それじゃあお休み。ぐー」


・・・

・・・


―――目を覚ますと、俺は机の上にいた。


・・・あれ、デジャヴ?


何か前にもこんな事があったな。確かあの時は―――

って、そんな事よりも先ずは自分がどうなってるかを確認しないとな。

流石に前回みたいなことはもうこりごりだ。


取り合えず、机の上って事は場所は学校かな。それで―――ってうお!俺がいる!俺が寝てる!

どういう事だ。今度は一体何になったっていうんだ?


自分の体を確認。

自分の体は―――白かった。

あー、もしかしてこれって、俺、今度はティッシュに転生した?


あ、だからか。なーんか妙に体がふわふわというか軽い感じがしたのは。

というか俺、ティッシュしまい忘れてたのか。まあ、どうでもいいけど。

しっかし、ティッシュになったはいいけどどうすればいいんだ?


―――――と、俺がそんな事を考えていると突然声が聞こえてきた。


「まったく、最近の若いもんはどうしてこう・・・」

「―――何だ?」


声がしたほうを見ると、そこにはボックスティッシュが鎮座していた。


「ん、おお。お前、ポケットティッシュか」

「え、ちょ、はあ?」


待て待て待て、落ち着け俺。ティッシュが喋りかけてくるわけ無いじゃないか。これはあれだ、夢だ。


「おい・・・

 おい・・・・・・

 おい!!」

「は、はいいぃ!!」

「何やわれえ、新入りの癖して先輩を無視たあいい度胸や無いか」

「いえいえ、そんな無視など、滅相もございません」


こええ!このボックスティッシュ、めっちゃこええ!


「ほおう。なら、説明してみいや」

「な、何をでございましょうか?」

「理由や。先輩の言葉を無視したさかい、当然、それなりの理由(ワケ)っちゅうもんがあるんやろうな?」

「えええ、えーとですね・・・」


理由?この御方(ティッシュ)が納得するような理由なんて知らないぞ。どうする、どうするよ俺、どうする!!?

そんな感じにあたふたしていると、突然目の前の御仁(ティッシュ様)が溜息を吐いた。


「・・・いや、悪いな。どうも最近気がみじこーて駄目やわ。新入り、さっきの言葉は気にせんでええ」

「そ、そうですか・・・」


何かよく分からないけど助かった。

そう一人安堵していると、またあの怖い人(ティッシュさん)が話しかけてきた。


「ま、取り合えず自己紹介といこうや。坊主、お前名前は?」

「えと、堺浩太、です」

「なんや人間みたいな名前やなあ。まあいいわ、ワイの名前は―――」


・・・何か反射で自己紹介しちゃったけど、そもそもティッシュに名前なんてあるのか?


「ス○ッティや」

「まさかの商品名!!?同姓同名が何人いるんだよ!?」

「因みに6番目に製造されたで」

「更にまさかの一ケタ台!!?超年代物じゃん!なんでこんな所にあるのさ!?」

「オイルショックの時のトイレットペーパー騒動、あれワイが起こしたんで」

「あんたが犯人だったのかよ!!」

「嘘や」

「嘘かよ!!何のための嘘だよ!」

「ええツッコミやな。ワイの故郷、新潟でもそれなら通用するで」

「あんた新潟出身かよ!関西じゃないのかよ!」

「なあ、ワイとコンビ組まへん?一緒に世界を狙おーや」

「ティッシュが何言ってんだよ!!!」


ゼーハー、ゼーハー。つ、疲れる・・・!


「お前、中々やな。気に入ったで」

「はあ・・・どうも」


Tさん(ス○ッティさんのあだ名)がからからと笑っていると、一人の生徒が近づいてきた。


「チッ。まーた来よったか」

「え、どうしたんですか?」

「お前、新人やゆーてもPT(ポケットティッシュの略)やから知らんだろうけどな、最近の若いもんのティッシュの使い方は荒いんや。まあ、見てれば分かる」


生徒がTさんに近づき、ティッシュを取る。一枚、二枚、三枚・・・てあれ?

ろ、六枚だと・・・!


そしてその生徒はティッシュを重ねて一回たたみ、そのまま鼻を近づける。


チーン


あ、あの音は・・・そんなに(鼻水が)出てない!

しかも、そのまま丸めて捨てただとお!


俺が驚いていると、Tさんから怒声が聞こえてきた。


「こんの鼻垂れ坊主がァ!!一回鼻かむのにどない使っとんねん!しかも今の音、そこまで鼻詰まってなかったやろ!それくらいだったら我慢せえや!!つーかなあ、一回で使う量は最高でも二枚、それが常識やろうがあ!何そないな量で三倍つかっとんねん!ふざけてんのかぁ!!!!」


ハァー、ハァーと息を荒くするTさん。そして俺はそんなTさんに話しかけた。


「い、今のは・・・?」

「ああ、今のがさっき言ったやつや。最近のガキャア、鼻のかみ方も碌に知らんさかい。たびたびこういう事が起こるんや」

「そ、そんな・・・」

「その点、お前は恵まれとるな。さっきお前の持ち主の使い方を見てたが、あいつは他のやつらとは違う。鼻かみのプロや。マスターや」

「そ、そんな」


かの有名なス○ッティさん、それも6番目に製造されたティッシュの大先輩にそんな事を言われたら嬉しすを隠す事なんて無理だった。


「いい持ち主に恵まれたな。お前は幸せもんや」

「あ、ありがとうございます・・・」

「何でお前が礼を言っとるねん」

「はは、それもそうですね」


俺達は笑いあい、場には平穏な空気が流れる。しかし、そんな空気もまた刹那の夢のように、露と消えた。


シュコッ、シュコッ、シュコッ、シュコッ


「またかああ!!!!ざけんなやわれええええ!!!!!!」

「手前えええええええ!!!!節度を守れえええええ!!!」


知らず、俺もTさんと一緒に叫んでいた。しかし哀しいかな。俺達はティッシュ、ティッシュの言葉など人間に分かるわけも無く、ただその叫び声だけが空しく響いただけだった。


「うおおおおお!!!!182~185朗ー!!!」

「ひゃ、182~185ですって!!?」


そ、それはつまり・・・!


「・・・ばれてしまったようやな。そう、ワイの命も、もう残り少ない」

「そ、そんな・・・」


BT(ボックスティッシュの略)のティッシュの枚数は基本的に160組(320枚)か200組(400枚)だ。そして、Tさんの、ス○ッティの枚数は200組(400枚)。Tさんの残りの命(枚数)は・・・あと15組(30枚)。


「Tさん!!」


叫ぶ。ありったけの声量で叫ぶ。消えて欲しくないと、そう思いを籠めてただひたすらに叫ぶ。


「ワイはもう駄目や。一度に何枚も持っていかれるさかい。

 ―――ワイが開けられて10日、短い人生やった」

「T、さん・・・」

「だがな、ワイも、ただでやられるわけにはいかん。ティッシュの誇りがあるさかい。絶対に譲れへん一線があるんや。今からそれを見したるわ」


そう言ってTさんが向いている方向を見ると、また一人の生徒が近づいてくる。

・・・ん?あれは・・・?


近づいてきた生徒は、さっき俺が授業中に見ていた女の子だった。見れば、その手には使い切ってしまったのだろう、PTの袋があった。

そして女の子はTさんに近づいた後、Tさんへと手を伸ばした。


しかし―――


「あ、あれ?」

「ふははははは、どうや小娘えええぇぇ!!!」


Tさんが高笑いし、女の子は困惑している。

見れば、Tさんからはティッシュが出ていなかった。


「これぞBTの奥義!

 『BTって、残り少なくなるとティッシュが底に落ちて取り辛くなるよね』

 や!!!」

「な!!?」


ま、まさかあの奥義を使ったというのか・・・!


その奥義は、その名の通り、BTが命尽きる前に起こす最後の反乱。自らの命が短くなると、中の容量が減り、隙間が出来る。そこに外部に出ていた部分を滑り込ませることによって、取り出し辛くさせるという、早急にティッシュが欲しい人にとっては迷惑極まりないが一回しか使えない奥義・・・!!


だけど―――


「Tさん、やめてくれ!!」

「何でや!この奥義は一回しか使えへん。これが最後のチャンスなんや!!それに、この小娘も他のガキらと一緒や。しかも女子(おなご)やで!どれだけ使われるか分かったもんやない!!」

「でも、それでも!!」


俺達がヒートアップしている間にも、女の子は必死に取ろうとしている。が、Tさんも意地で取らせまいとしていて場は拮抗していた。


「・・・Tさん、あんたに誇りはないのかよ・・・」

「・・・何やて?」


Tさんから来る凄まじい迫力。しかし、これに怯んでいてはいけない。


「女の子が、鼻をかみたがっているんだぞ!それも年頃の!あんたは、そんな子に公衆の面前で鼻を垂らさせるって言うのか!!?」

「―――!!??」


「あんた達ティッシュは何のためにあるんだ。鼻をかむためだろう!他にも、いろいろな事に役立つ、そんな存在だろう!それなのに、一人の女の子を苦しませて喜ぶなんて・・・あんた、ティッシュの風上にも置けねえな!!」

「わ、ワイ、は・・・」


「なあ、ス○ッティさん。あんたの親、ク○シア社はとんでもなく偉大だ。なら、親の恥にならないように、ここは女の子を助けてあげるべきなんじゃないか?」

「・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・そう、やな」

「Tさん―――」


「お前の言う通りや。ワイは、ワイらは鼻をかみたがっている人たちを助けるのが仕事やったな。それを、あんな私情で、年頃の女の子を不幸にさせてしまうところやったんやな・・・」


Tさんの力が抜けていき、女の子はティッシュを取る事に成功した。


シュコッ


「「なっ!?」」


Tさんと俺、二人同時に驚く。


「い、一枚だけやと・・・?」

「女の子が、そんな・・・」


そして鼻をかみ始める女の子。これについては俺は紳士なので見ないで、そして音も聞かないようにした。


「・・・こないな子も、まだまだいるんやな」

「そうですね・・・」


二人の間にまた暖かな空気が流れる。そして、今度はそれを邪魔する不届き者はいなかった。


「ありがとうな、坊主」

「別に、いいですよ。俺はただ、ファンクラブがあるかもしれないあの子に不幸な目に遭って欲しくなかっただけですから」

「そうか・・・」


段々と、俺の意識も遠くなってくる。そろそろ起きるのかな。

その前に、俺はTさんに自分の正体を明かそうと思った。


「Tさん・・・」

「いい、分かっとる」

「え・・・?」

「お前、人間やろ」

「どうしてそれを・・・?」

「思い出したんや。ワイの近くに座っている、いつもティッシュの使い方がなってる男子生徒の名前をな」

「そう、だったんですか」


「なあ、ワイの最後の願い、聞いてくれへんか?」

「なんですか?」

「ワイの残りは、全部お前さんに使って欲しいんや」

「でも、そしたら・・・」

「大丈夫や。ワイの下にある棚に、新しいティッシュが眠ってるさかい。それを開けてくれれば大丈夫や」

「・・・分かりました」

「ありがとうな・・・」


その言葉と同時に、段々と意識が遠のいてくる。


「そうや、最後に言っておく事があったわ」

「なんですか」

「―――最初に言った、ワイはス○ッティの6番目に製造されたってヤツ、あれ嘘や」


「って、それも嘘かよ!!」


ガバッ!


「・・・夢?」


そんな風に思ったが、Tさんの方を見ると、なんだか懐かしい感覚に囚われた。

俺は約束を果たすため、Tさんを自分の机の上に置き、Tさんの下にある、というかTさんが乗っていた背の低い戸棚から新しいティッシュを取り出した。


「これでよし、と。あとは―――」


俺が後ろを振り返ると、そこには先程の女の子がいた。


「あ、あの―――」


女の子は照れているようで、何か妙にもじもじしていた。


「どうした?」

「あの、いきなり変な事言って悪いんだけど、その・・・ありがとう」

「本当に変だな。俺が何かしたか?」

「よく分かんないんだけど、何か、えーと・・・」

「どうした?」

「その、・・・ごめん。名前、何て言うの?」

「なんだ。相手の名前も知らずに礼を言ったのか」

「うー、ごめん」

「ああ、いやいや。悪いな。俺の名前だけど

 俺は―――堺浩太だ。以後お見知り置きを」

「ああ、うん。ありがとう。それで、さっきの続きだけど―――」


「待て待て待て」

「え?」

「まだ、お前名乗ってないだろ」

「あ、ごめんなさい!」


そう言い、ばっと頭を下げる未だ名称不明の女の子。


「いやいや、別にいいから。

 ―――で?」

「あ、私、神崎美奈です。よろしくお願いします」

「え、ああ、よろしく」


別に一緒のクラスってだけでそれほど接点なんてないだろうに。何をよろしくすればいいのか・・・。


「それでですね、話を戻しますが―――さっき、堺君に助けてもらったような気がするの。だからお礼を言いに―――」


その言葉に、俺ははあと溜息を吐く。


「あのな、そんな不確かな情報で相手に礼は言わなくてもいいんじゃないか。礼を言ってる本人が何に対して感謝しているのか分からないんじゃ、相手に対しても失礼ってもんだ」

「そ、そうですね。すいません・・・」

「いや、別に謝らなくていいから。あと―――」

「はい?」


「―――敬語。

 俺達同学年なんだから敬語なんて要らないだろう。もっと気軽に話せよ」

「あの、でも―――」


何か言おうとしているが、俺が黙っていると、観念したようだった。


「じゃあ、その、よろしくお願いね。堺君」

「おう」


何かよく分からないけど、取り合えず新しいクラスで新しい知り合いが出来たと思えば、まあそれでいいか。


そんな感じに思っていると、神埼が話しかけてきた。


「あの、さっきまで寝てたけど、お昼は?」

「いやー、お恥ずかしながら忘れてしまいまして」

「あ、じゃあちょっと待ってて」


そう言ってパタパタと自分の席に戻ったかと思うと、何かを掴んで戻ってきた。


「はい、これ」

「これは、サンドイッチ?」

「うん。今日、多く作りすぎちゃって、良かったら食べて」

「おお!ありがとう!」


サンドイッチを一つつまんで口に持っていくと、挟んであったハムとチーズの味がした。


「ああ、うめえー」

「良かった」


本当はもっと食べたいが、時計を見れば、時間はそれを許してはくれなかった。


「あ、それじゃあ残りはティッシュに包んで貰っていいか?」

「うん、いいよ」


承諾を得て、Tさんに近づいて数枚頂く。そしてそれでサンドイッチを包む。


「あ、そうだ。サンドイッチのお礼といってはあれだけど、これやるよ」


そう言って差し出したのはPTだった。


「え?」

「いるだろ。ティッシュ」

「ああ、うん。ありがとう」


でも堺君は?と目で聞いてきたので俺はTさんを掲げて見せた。


「大丈夫。俺には、この人がいるから―――」

前書きでも書きましたが、この短編、シリーズ化してしまいました。

本当は連載小説として投稿した方がいいのでしょうが、短編でいきます。

前作は勢いで書き、今回も勢いで書き、そして勢いでシリーズ化・・・。何やってんだろ自分・・・。

勢いで書き上げた作品なので、読みづらい所などがあったと思いますが、それでもここまで読んで下さりありがとうございます。結構長い文章となってしまいましたが、楽しんでいただけたのなら幸いです。


次回はもう少し短く書けるといいなあ・・・。

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。にじファンで活動中の風見ぽぽ介と申します。 これは苦悩シリーズ(?)2作目のようですね。時間があれば1作目も見て行こうと思います。 今回はティッシュがテーマですか。 僕は…
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