第六話
アイテムボックスの中にはまだまだ船の在庫はあるが与えられてすぐに船を乗りこなせるわけではない。
残りの船は国民が技術を習得してから補充することになった。
「いやぁ。それにしても我が子はすごいな」
帰りの馬車でマーカスはずっと上機嫌にそう誉めてくる。
「お父様が喜んでくれて僕も嬉しいです」
「他にも出した船以外も作れるのかい?」
「小型の戦闘艦もありますけど・・・」
「そうか。だが、それを出すのはもう少し待ってくれるかい?」
「どうしてですか?」
「我が国は小国だ。軍事力を下手につければ他国から警戒されてしまう」
「なるほど・・・。政治的事情って奴ですね」
「うむ。アルは難しい言葉を知っているのだな」
5歳児ならぬ知識だっただろうか。
ここは必殺のワードを言うしかない。
「ご本に書いてありました」
にぱっと笑顔でそう言い放つ。
「そうか。そんな本も読んでいたのだな」
納得してくれたようだ。
次からは発言に気を付けなければ。
城に戻ると剣術の先生が待ち構えていた。
「アルフレッド様。お待ちしていました」
笑顔でそう言ってくるが何やら怒りのオーラを感じる。
これは訓練時間が減ったのを怒っているのだろうか。「短くなった分、ビシバシといきますよ」
助けを求めるようにマーカスを見たのだが横を向いていらっしゃる。
可愛い息子を助けてくれないとは薄情ものの父である。
結局、アルは剣術の先生にドナドナされてしまった。
「うぐぅ・・・。きつかった・・・」
限界まで追い込まれたアルは2日目にして剣術が嫌いになりそうである。
昼食をなんとか食べて魔法の先生のところに向かう。
「なんだか疲れていらっしゃいますね」
「剣術の先生が厳しくて・・・」
「なるほど。それは大変ですね。ですが、アルフレッド様。集中してください」
「はい」
まだ、初歩的な魔法を教わっている段階だが集中力が途切れ事故を起こしては大変だ。
昨日、散々言われたことなので頬を叩き気合いをいれる。
子供の集中力というのは凄いもので熱中して取り組んでいたらあっという間に夕方になっていた。
「今日はここまでです。良くできましたね」
「ありがとうございました」
魔法の先生にお礼を言って食堂に向かう。
そこには両親が揃っており笑顔で迎え入れてくれた。
「今日はどうだった?」
マーカスがそう聞いてくる。
が、助けてくれなかったのを忘れていない。
「お父様なんて嫌いです」
「そんな・・・」
目に見えて沈んでみせるマーカスの姿に胸がちくりとする。
「嘘ですよ。そんなに傷つくとは思いませんでした」
その言葉を聞くと先程の沈んでみせた様子は吹き飛び笑顔をみせてきた。




