第十九話
アルと総旗艦の指揮官の姿が謁見の間にあった。
「無事に勝ったようだな。ご苦労だった」
「はっ。ですが、喜んでばかりもいられません」
「何か問題でもあったのか?」
「アルフレッド様が窮地に陥った味方を助けるために無茶をしました」
「ふむ。アルよ。それは本当か?」
「事実です。ですが、助けられる味方がいるのに助けないのは違うと思います」
「それはそうだが・・・。今のマルコシアス王国を支えているのはお前だという自覚はあるか?」
「自覚はあります」
現在のマルコシアス王国はアルの船生成のスキルに支えられている。
国王であるマーカスよりも安全が優先されるのだ。
「そうか・・・。それがわかっているならいい」
てっきりもっと怒られると思っていたがマーカスは何も言わなかった。
「無事に島を解放したことで戦力が必要だ。今回の遠征は学生達の実力を測る目的もあった。そちらの方はどうだ?」
「経験不足であることは事実ですが、問題ないかと思います」
「そうか。ならばこれにて学生達を卒業として軍に正式に組み込むこととする」
「かしこまりました」
「アルよ。お前にはしばらく陸で教育に関わってもらう。よいな?」
「わかりました」
これは表向きは怒らなかったが罰ということなのだろう。
だが、新たな学生を受け入れ教育するというのは今後のことを考えれば重要なことだ。
精一杯取り組まなければ。
いざ、教壇に立ってみれば中々に大変な職業であることを実感させられる。
ここにいる人材はまずアルの見た目で侮ってくる。
王族であることで表面上は大人しいが影で馬鹿にされていた。
他の教官達が教官室で心配してくれたがここで手を借りるわけにはいかない。
そんなことをすれば学生達はアルのことを舐めたままである。
アルはその侮りを利用して逆に学生達にやる気を出させることにした。
お前達は6歳児にできることができないのか煽って煽って煽り通した。
馬鹿にされた学生達は見返してやろうと躍起になって勉学に励む。
その様子を多くの教官達が見ていた。
「アルフレッド様は学生の扱いがうまいですね」
「まぁ、少し前までは同じ立場でしたからね」
そう。
第1期生の生徒の中にもアルのことを馬鹿にしている者もいたのだ。
それらを全て叩き潰して首席の地位を手に入れたのがアルである。
鼻っ柱の高い学生の扱い方をよくわかっていたのである。
厄介なのは鼻っ柱の高い連中だけではない。
むしろ、こちらの方が厄介な存在だと言えるだろう。
王族であるアルにすり寄ってこようとする存在だ。




