第十七話
小型の戦闘艦で十分な経験を積んだアル達は中型の戦闘艦での実習に移っていた。
大型艦の戦闘艦も作れるようになっているが人員の問題と港の問題で総旗艦として1隻配備されているだけである。
中型の戦闘艦がマルコシアス王国の主力艦だ。
「我が国にとってアルフレッド様は天から使わされた救世主だ」
まぁ、間違ってはいない。
事故で死なせてしまった罪滅ぼしだったとはいえチートな能力をもらい生まれてきたのだ。
この国に生まれてきたのは偶然とはいえ、天の采配という奴だろう。
「さて、基本的な操作は小型船と変わらない。だが、方向転換には時間がかかる。それを頭の中にいれて操艦するように」
教官の言った通り、旋回には小型艦より時間はかかる。
だが、耐久力もそうだが砲の数も小型艦よりは増えており攻撃力が上がっているのが特徴だ。
この船があれば、大国の船とも十分やりあえるだろう。
中型の戦闘艦の操作に慣れた頃、1つの作戦が実行された。
王都から南下すると1つの島がある。
現在、海賊に支配されているその島ではサトウキビが栽培されており、かつては輸出品としてマルコシアス王国の財政を支えていた。
戦力が整ったことで島の奪還をする。
その為に学生であるアル達も作戦に参加することになったのだ。
総旗艦である大型の戦闘艦を中心に艦隊を組みマルコシアス艦隊は島を目指して南下する。
途中、島を支配する海賊艦隊と戦闘になるが、射程の違いもあり一方的な展開となった。
あと少しで目的の島が見える。
そう思っていた頃、目の前に島を支配する海賊の大艦隊が見えた。
小型艦がほとんどだが船の数がかなり多い。
砂糖の売買でかなり儲けているのだろう。
総旗艦より指示がだされ陣形を整える。
マルコシアス王国艦隊は綺麗な陣形を作り、海賊艦隊との戦闘に備える。
最初にその火蓋を開いたのは先頭を行く小型艦だった。
海賊艦隊は油断していたわけではない。
だが、魔法の射程外である遠距離から攻撃されるとは思わなかったのだろう。
混乱している様が目の前にあった。
だが、その混乱は一時的なものだった。
中型の艦を中心に突っ込んでくる。
距離をとろうとするが味方の小型艦が敵の魔法に捕まり、帆をズタロボにされる。
海賊の中に優秀な風魔法使いがいるようだ。
こうなってしまえば機動力は失われてしまう。
他の艦がフォローにまわるが機動力を失った艦は集中攻撃を受け沈没も時間の問題に思われた。
だが、沈没寸前の小型艦を救うべく1隻の中型艦が割り込んだ。




