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異世界は帆船とともに  作者: 髙龍


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第十一話

「お父様。提案があります」


「なんだい?」


「港の拡張工事をしませんか?」


「拡張工事を?」


「はい。今のままでは中型の船は直接、出入りができません。なので将来のことを考えれば拡張工事をするべきです」


「だが、1隻の為に工事をするわけには・・・」


「お父様。安心してください。中型の戦闘艦はもちろんのこと商船もあります。一時的に財政は苦しくなるかもしれませんが元は取れるはずです」


「加護について詳しく聞いたことはなかったな?どういう加護なんだい?」


「船を1日1回作れる能力です。まだ、成長段階ですが大型の船を作れるようになるのも時間の問題です」


実は大型の商船を作れるのだがそこは黙っておく。


「そうか・・・。我が国は島国だ。交易をすることができれば国民の生活に大きく利することができるだろう」


「それと同時に学校を作りませんか?」


「学校を?」


「船はいくらでも作ることができますが扱える人材がいなければ意味がありません」


「確かにその通りだ。育成には時間がかかる。さっそく動くとしよう」


無事にマーカスを説得することができた。


これで、様々な物を輸入できるだろう。


今の生活に不満があるわけではない。


だが、元日本人としては色々やってみたいことがあったのだ。






城に戻ると剣術の先生と魔法の先生が待ち構えていた。


「陛下。報告がございます」


「うむ。聞こう」


「アルフレッド様の修練ですが我々ではもう教えることがございません」


「なんと・・・」


そう言えば最近は注意されることも減っていた。


2人の腕は悪くはないと思う。


だが、真綿が水を吸うかのように知識を吸収するアルの成長は想定を越えていたのだろう。


「わかった。お主達のことは信頼している。今までご苦労だった」


「はっ。失礼いたします」


そう言うと2人は去っていった。


「お父様。お願いがあります」


「なんだい?」


「先程、学校を作る話をしたじゃないですか。僕も通ってみたいです」


今までは剣術と魔法の修練があったので学校に通う余裕などなかったが、それがなくなった今、学校に通う余裕ができた。


「ふむ・・・。もう少ししたらと思っていたがそれも悪くないか」


前世でヨットに乗っていたので基礎の知識はあるつもりだ。


だが、複数人で操作する船はまた違った経験が必要だろう。


1から学び直すつもりで取り組む必要があるはずだ。


前世では生まれる時代を間違えた。


そう思うほどに帆船の世界に憧れていたのだ。


今世では思う存分大海原を堪能してやる。


アルは強くそう誓った。

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