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007-奇妙な邂逅

「はぁあああああああ!」


私は操縦桿の手前に配置されたボタンを強く押し込んだ。

機銃が光を放ち、目の前に見えている敵に向かって飛んでいく。

だけど、それはただ敵を捉えただけで、アニメのように船がわざとらしく爆発したりはしなかった。

直後、真上から飛んできた光が、目の前を薙ぎ払う。

真っ二つになった船が、街の中へ墜ちていく。

私は脇目も振らずに上を見上げた。


「みどり...いろ...」


緑に輝く翼が見えた。

綺麗に見えたけれど、同時に怖かった。

憧れのあの機体は、映像を通して見るよりずっと威圧的で、恐怖だった。

手を振り、光を放てば敵が死に。

近づく船は別の何かが撃ち落とし。

ケテルが浴びる砲撃は完全に防がれていた。


「っ...」


私は依然として無力なのに。

私の憧れは、平然とその無力を踏み躙った。

平然と残酷で、毅然として怖い。


『どうした?』

「...なんでもない!」


叫んで、その時初めて気付いた。

通信はオフラインだ。

何も繋がってない。

じゃあ、この声は?


「ま、まずいっ」


その時、コックピットに聞きなれない警告が響く。

窓に重ねられた画面に、《LOCKED》の赤い文字が点滅する。

私は機体を急上昇させる。

途轍もない負荷が体にかかって、私は苦しみから声を絞り出した。

身体がバラバラになりそう、って...こういう事なんだ...!

でも、


「上を取った!」


私の無茶な急上昇を、相手は捉えきれていない。

スロットルを切って、自由落下に入ってすぐに低出力にして反転。

墜ちながら、撃つ。

よくわからないけれど、撃つ場所は何故かすぐにわかった。

撃った弾は、やっぱり弾かれてしまう。

だけど、撃ち続ければっ!


「いっけえええええ!」


撃った。

撃った。

撃った。

撃って...貫く。

でかいのが張ってた見えない壁を打ち破った弾は、まっすぐにでかい船の真上部分を貫いた。


「こ...ころし、た?」

『そうだ、お前が殺した。...それだけは忘れるなよ』


直後、光がでかい船を踏み潰した。

バラバラになって、それは都市から舞い上がる火の粉の中に溶けて消えていく。


「ねぇ!あなたは誰なの!?」

『またな』


一方的な事実だけを押し付けて、それは去ろうとする。

待ってと私は叫びたかったけれど、意識が遠くなっていく。

徐々に高度が落ちていくけれど、もう限界だった。


『...やれやれ、強いのか弱いのか...』


そんな声と共に、機体が大きく揺れた。

その振動を揺籠のように感じながら、私は目を閉じて眠った。




『これからどうするのですか?』

『緊急で出撃したが、まさかここまで攻められてるとはな』


ケテルは左手でレプリカを握り締め、大気圏を容易に突破する。


『そうではなく、拾った方の処遇についてです』

『ああ...もしかすると、この星に来た目的の子かもしれないからな。手間が省けたかもしれない』

『では、彼女の家族にはそのように説明しておきます』

『頼んだ』


宇宙空間に出たケテルは、六枚の重力操作板を翼のように展開し、彼らの来た巨大な母艦...アバターへと向けて飛んでいくのであった。


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