第五十七話 (再)アスカ大陸へ
彼女は鈴木怜奈、少し話を伺うと、彼女は俺と同様、なんでも生み出せる能力をもらったらしい。俺を殺す為ならそれぐらいの能力は必要だと判断したのだろう。だが、仲間になった。この事を奴は予想できたんじゃないのか?
奴の考えてることなんて一つも分かりやしないが絶対なにかある。それだけは分かる。
──ジープでの道中。
「とりあえず、あんたは味方で良いんだよな?」
「私は別にあなたを殺そうなんて思ってないわよ、私は強くないからね」
「怜奈?と言ったか、あんたここに飛ばされるまでは何をしてた?いや、正確いえば経歴は?」
「私?別に凄い訳じゃないけど自衛隊で特殊作戦群に居たくらいかしら」
「そうか自衛隊で特殊作戦群にね……ん?んん!?おいちょっと待て、今、何て言った?」
「だから自衛隊で特殊作戦群に──」
「あんたバケモンかよ、信じられねぇ……」
普通に強かった。彼女は分かってないかも知れないが、特殊作戦群は陸上自衛隊において数少ない精鋭を集めた部隊。到底俺にはできない仕事をやらされるような部隊だ。
彼女が居れば何とかなりそうだと思う俺がいる。
――
アクーラ連邦、最西端、暦一九〇一年、七月七日。
俺たちはアクーラ連邦の最西端まで来ていた。
「海がきれいだな」
トウヤがそうつぶやく。俺も返事はしなかったが、目で頷いた。そこで、怜奈が言う。
「ここまで来たのはいいけど、これからどこに向かうの?魔王はどこにいるの?」
「実は、神様から聞いたんだが、奴はアスカ大陸の北にある古びた巨大な城で待ってると言っていた。それが正しいなら、いや、正しくなくても行ってみる価値はあるそこに向かう」
「ふーん、まぁいいわ、ついてく」
怜奈はホルスターに入れたルガーP08のマガジンをチェックしてまたホルスターに戻した。
「いつでも行ける」
怜奈の言葉で俺は二人にアイコンタクトを取る。二人とも頷く。よし、準備はできた、行こう。
またアスカ大陸に──。




