第五十一話 見せかけ
見た感じ、中には何もない。床に扉が有りそうな気配はない……まさか、ハズレか?
いや、そんなハズはない、生体センサーには反応がある。
どこだ、どこにあるんだ……
「日向、あったぞ!」
そう言いながらトウヤはフラッシュライトで石造りの壁にあった窪みを照らした。
「見てろよ、、」
カチッ──とスイッチを押したような音と同時にゆっくりと壁の色が変わり、そこにはドアノブの無い扉が出現した。
ここでは今、現実ではあり得ないような事が起きている、でもこれは現実なんだ。
正直言ってしまえば何もないところから物を生み出せる能力のせいでこんなことには慣れているが……
「あっ開けるぞ……!」
トウヤは扉に手を伸ばし、ゆっくりと押して開けた。
──
中を見れば、そこには数多くの武器が散らばっていた。基本的に剣や斧といったモノだが、どれも高級品ばかり、銃と比べたら何ともないが、シースの反応を見れば、それがどれ程高価なのかが伺える。
─でも本題は敵の排除だ。本当にここはハズレかもしれない。いや、当たりなのかもしれないが、俺からしたらハズレだ。次に行くか……
──
ここ、ペロズリィラード近郊にはあと何個かアジトとおもしき場所がある。一つずつ見ていくさ。
まずはここ、さっきの場所から一キロ程離れた所にあるここ、見た目はさっきとほとんど変わってない。重要なのはここからだ。内容が重要だ。
考えもしないで、扉に手をかけ、扉を開けて中に入った。
「日向、何かあったか?」
トウヤが聞くが、トウヤも入って分かった。
「何も無い……」
期待を裏切られた気分だった。さっきもそうだが、今まで敵が居たのになぜ居ない?そういう疑問と何もないのがつまらなくなってしまっている事が原因だ。
労力を消費しなくていいんだ。そう考えればいい。そもそもアジトを制圧しても居るのは敵だけだ。だが本来、そこに情報があるかも知れないという考えで制圧しているんだ。別に敵も情報もないならそれでいい、他を当たるだけ、毎回戦闘なんてしなくていいんだ。
なら、次に行くか………




