第二十一話 イルメニア帝国首都
向かい始めて一週間が経った。
何もやることが無い。やる気も出なくなってきた。ニートだった為か、やる気が無くても、ダラダラして一日を過ごす事は出来る。
でも暇なのには変わりない。
レイスはこの世界の人間だから、移動には慣れっこで、暇ではあるが、ずっと座ったままだ。俺は寝てるのに。
トウヤは何とか時間を潰そうと努力はしてるみたいだが、銃を眺めたり、カチャカチャする以外、何もやることが無いみたいだ。
――
四時間経った。もうすぐ夕方だ、景色はまったく変わらず、畑が広がっている。
昔の人は可哀想だな。何も無い、畑だけしか無い。いや、畑だけある。
――
あれから、二週間が過ぎました。後、五日で首都に着きます。
ん?今、ですか?今は数を数えています。あれ、どこまで数えてたか忘れちゃった。確か、一〇五三七ぐらいだった気がする。
あれ?なんだったっけ。
「日向、お前、顔が死んだ魚の目をしてるぞ。」
ん?そうか?生憎ここには鏡が無くてな、自分の顔が分からない。
一応所々で休んでいるし、風呂には入れるし、食事もしてるから、死んだ魚の目をしてるのだろうか?
あっ。そうだ、一〇五三五まで数えてたんだ。
思い出した。一〇五三六…一〇五三七………。
俺は数を数えて今日は過ごした───
――
五日後──
首都に到着した。逆に疲れた。でも、ここは綺麗だ、流石首都と言うべきか、奥には城が見える。
でかいな。五十メートルはある。
日本のような造りをしてる。大阪城や姫路城みたいなもんか。
とりあえず、泊まるとこを探そう。宿だ。
テントを張ったら、ダメな気がする。首都だから。
この時代となると、犯罪一つ起こせば、処刑だろう、俺は知ってる。
だからまずは宿を探した。宿は少し小さいが、まぁ、アパート一部屋分の広さだ。問題無いだろう。
外に出てみると、酒場、ギルド、市場がある。
土産でも買っていくか。
おや?お爺さんが近寄ってきたぞ。
「あんた、魔法使いかい?」
うーむ、どう答えるべきだろうか。こう言われるとは予想していなかった。でもここで魔法使いだと答えたら嘘になる。ここは正直に言っておこう。
「いいえ。違いますよ、勇者です。」
「おぉ、そうかそうか。すまなかったな」
お爺さんはそう言って去っていった。ほらな?魔法使いだと答えてたら何かあったに違いない。危なかった。
面倒事は嫌いだ、俺は魔王を倒すという面倒事を神に頼まれてるんだ、許せ。
今俺が持っている杖は杖じゃない。杖という名の銃だ。ある意味、魔法は撃てるが。
今日はこの街で魔王軍について聞き込みしようと思う。
もっと詳しい事を聞きたい。
数時間後───
夕方になった。
聞き込みをした結果、分かった事がある。魔王軍はトリガルト帝国全域に居るだそうだ。まさかあそこが魔王軍の領土だったとは、だが魔王の居場所は不明、だそうだ。
そして、この間、魔王軍がゲルニー共和国に襲来した時、ゲルニー共和国の領主の側近が魔王軍に囚われたらしい。あの時にあんなことがあったとは、俺達が囚われなくて良かった。
俺が魔王を倒しに行った時、そいつが生きていたら、助けてやろう。
そして、更にめんどくさい事に魔王軍は独自の言語を喋っており、解読困難らしい、………。
え?、あの時、完全に聞き取れたが、あれは何語だったんだ?もし、俺が魔王軍語も分かるなら、後の戦闘に役立ちそうだ。
――
今日は夕食でも食べて寝よう、明日に備えて。
俺達は寝た───
――
朝になった。
今日は雨のようだ。『天候変化』それがこの国の特徴だ。日本だな。四季あるし。
「日向、今日は雨だがギルドに依頼を受けに行きたいんだけど、どうだ?」
「あぁ、構わない。」
俺とトウヤはレイスにギルドに行くと言って、依頼を受けに行った───
ギルドに着いた。
さぁ、どの依頼にしようか。
これは?『犯人見つかっておらず、家に泥棒』
調査依頼だ。こんなこと前にもやったな。
「トウヤ、これ、やらないか?」
「おぉ、やるか。」
俺とトウヤはこの調査依頼を受けた───




