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ブックマーク・評価ありがとうございます!

とても嬉しいです!!

俺たちが卒業した後、リリア・ヴァーベナという女生徒が王立学園に入学してきた。

彼女は市井で暮らしていたが、両親が亡くなった事でヴァーベナ男爵の孫であることが発覚し引き取られた。

そのため、貴族籍を得たリリア嬢は王立学園へ通う事になったのだ。


王立学園の高等科は、貴族の男女と一般入試をパスした平民が通っている。平民からいきなり貴族になったリリア嬢が、一般入試もパスしてないのに学園の勉学についていけるワケがなかった。


ゲームでは、貴族からの身分差別と一般入試の平民からのやっかみを跳ね除け、攻略対象者たちと勉強を励み、愛を育み、最終的にテストで高得点を取るというような内容だった。

そしてそのテストが四季毎に年4回あるのだ。ちなみにテストの得点は年間で累積され、各科目の年度優秀者に選ばれると特別なスチルが解放される。スチルは科目✕攻略対象者ごとに用意されていたため結構な枚数になる。また、攻略対象者によって得意科目が違うため、難易度の高いスチルもあり、かなりのやり込み要素になっていた気がする。


また、この世界ではデビュタントが行われるのが18歳になる年の冬だ。そして、その時好感度の高い攻略対象者たちからダンスを申し込まれる。卒業式前の最終分岐点だな。最終的に選んだパートナーと卒業式後のプロムで悪役令嬢を断罪し、ハッピーエンドとなる。


……まぁ忌々しい事に、その悪役令嬢がクロエなんだがな。


クロエは、最終分岐の時に選んだ攻略対象者の婚約者だった。

このゲームは最後まで悪役令嬢が誰か開示されない。パートナーを選んだ時に、「実は…」的な感じで婚約者の存在を明かされる。在学中の嫌がらせは全てシルエットしか出てこないが、卒業式前に階段から突き落とされる時にだけ、クロエの髪の毛がちらりと映るのだ。

周回プレイする時にはすでにネタバレだったがな。


っていうか、女の子をその気にさせて実は婚約者いるよ、とか外道すぎないか?

製作チーム、大丈夫?私生活、泥沼とかになってない?裁判抱えてない?


まぁそんなことは置いておいて、今のクロエは(アレクシス)の婚約者だ。

結構シナリオ改編している自覚もあるし、強制力でもなければクロエが害されることはないだろう。

影もつけてるしね。

ただ不安要素は、コレが本家の四季恋(しきコイ)だった場合、俺は細かいシナリオを知らないということだ。何があってもいいように、準備を怠らないようにしよう。


影からの定期報告を受ける。

話を聞く限り、どうやらシナリオ強制力が働いているっぽい…。弟よ…、お前に婚約者はいないぞ。

いたとしてもそれは絶対にクロエではない!

あまりにイラつき過ぎて、エストワールを剣術稽古に誘いボコボコにしてしまった…。

止めを刺す時に、殺意を込めて「死ね!」と思わず言ってしまったのは大人気なかったかもしれない。

偶々、通りがかったロイドが止めてくれなかったら危なかったな…。

仲直りしようと声を掛けたら、怯えられてしまった。

反省、反省…。

だが、エストワールがクロエを婚約者だと認識しているということは、ヒロインはエストワールルートに入っている、ということか?

もう少し静観しよう…。


また定期報告を受ける。

ヒロイン、転生者っぽい…。

無駄のない動きで、攻略対象者の好感度を上げている。

これは逆ハールート狙いっぽいな…。

しかもマズい事に、この動向からこの世界が本家四季恋(しきコイ)だという事を確証してしまった…。

なぜなら、それぞれの攻略対象者に婚約者がいるような展開になっているからだ。

俺は、婚約者だと思われている憐れな令嬢をリストアップしてみた。


結果、エストワールはクロエ、アラン・キルケニー侯爵子息はスカーレット、ダニエル・カイオム伯爵子息はシルヴィア・クインビー伯爵令嬢、マルクス・ピリング教皇子息はミカエラ・バートレット侯爵令嬢を婚約者だと思っている事が分かった。


なんてこった…。俺の側近の関係者たちじゃないか…。

クロエ、スカーレットは勿論のこと、シルヴィア嬢はヨハンの婚約者だし、ミカエラ嬢はイスタークの婚約者のガブリエラ嬢の妹だ。

第二王子(エストワール)陣営に加わるはずがない…。

最近、ヨハンの機嫌が悪かったのはコレが原因だったんだな…。可哀想なくらいクリストフが八つ当たりされていた。

クリストフの婚約者のイザベラ嬢はダニエルの姉だからな…。


俺はシナリオ強制力の恐ろしさを知ったが、まだ何とかできるかもしれないと必死で足掻いてみることにした。

クロエ含め、側近の婚約者たちや関係者が断罪されることは避けたい!彼女たちの名誉のためにも、俺の求心力のためにも!!


とりあえず逆ハー達成に欠かせない人物と、ヒロインの接触を妨害してみる。

それが隣国の王子、レオ・ティーダの留学阻止だ!

俺の知っているシナリオだと、ヒロインたちが最終学年になる時に隣国からレオ王子が留学して来る。

友好関係アピールのためと思いきや、手下を連れての留学で、実際はこちらの内情を探るためにやって来るのである。

ゲームではヒロインに絆された結果、わが国との開戦意志を改め、本当の意味で友好国となる展開が待っていた。

戦争を避けたい俺としては放置案件だったが、背に腹は代えられない…。

俺の強権を発動しよう…。

アレクシス暗躍中〜♪


【小話】

現在、アレクシス、ロイド、クリストフは19歳です。

イスタークは20歳、ヨハンは18歳です。

クロエ、スカーレットは17歳、イザベラ19歳、ガブリエラ20歳、シルヴィア18歳です。

ヨハン、シルヴィア、クロエ、スカーレットは在学中です。


ヨハンの婚約者シルヴィアと、クリストフの婚約者イザベラは伯爵令嬢同士なので仲良しです。そのため、ヨハンはイザベラを責められないので、クリストフに八つ当たりしてます。

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