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天穿つヘリクゼン  作者: 紫 和春


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第13話 自衛隊

 前線である対馬に出向いて2週間程度。

 毎日のようにやってくる兵士級飛行型の対応をしている一基。この日はいつもより体調がすぐれない。


「はぁ、はぁ、はぁ……」

『第4波の到来を確認。時間を鑑みるに、今日の攻撃はこれで終了のようだ。気を引き締めていけ』

「ホント、人使いが荒いなっ!」


 そういって一基は弾丸を連射する。

 彼にしてみれば、もはやヘリクゼルの扱いは慣れたものだ。レールガンの弾丸を複製することはおろか、修復に修復を重ねて使い物にならなくなったレールガンの砲身すらゼロから作り出すことができる。

 もちろん、それによる一基の肉体的精神的疲労はどんどん蓄積されることだろう。

 日が沈むまで、たっぷりと戦闘する一基。最後の1体が墜とされる。


『レーダーに敵影なし。状況終了』


 それに一基は反応することなく、そのままぐったりとしてしまう。

 そしてそれは、ヘリクゼンが倒れこむという異常事態を発生させる。


「一基様!」


 世話人が急いでヘリクゼンの元に向かう。

 そして、機体後方にある非常コックを操作する。

 コックピットのハッチが開き、中にいる一基が救出された。

 そのまま担架に乗せられ、近くの対馬駐屯地にある診療所へと運ばれる。

 そこには、一基の身に何かあった時のために、専門の主治医が待機しているのだ。

 そこへ運ばれた一基を見て、原因を探る。


「微熱、脈が早い。一基さん、体調は?」

「頭が……痛い……」

「これはヘリクゼルから放出されるエネルギーを過剰に摂取した時にみられる症状ですね。身体的な問題はないですが、しばらく休養が必要です」

「そんなことしてる場合じゃない……」

「一基様、ここで無茶をしてお体を壊されるより、一度休息をとって回復していただいたほうが我々の見解です」

「だが……!」

「現在、呉と佐世保の護衛艦隊が対馬海峡に展開しています。今は彼らに任せて、休んでください」


 一基は仕方なく、休息をとることにした。

 一方で、対馬海峡には海自の護衛艦隊と空自の戦闘機が上がっていた。


「こちら護衛艦『まつかぜ』、対空警戒中。現在のところ、兵士級と思しき影は確認されていない」

『こちらP-3、洋上に兵士級は確認されない。活動再開予想時刻である夜明けまで2時間半を切った』

『済州島上空の母船は、依然攻撃の様子なし。今は兵士級がちらほら降りてきている』


 そう言っているうちに、夜明けがやってくる。

 予想通り、兵士級は活動を開始。飛行型が済州島から飛んでくる。


「水平線上に敵影確認。対空戦闘用意」

『こちらF-2改、敵を視認、エンゲージ!』


 そういって海自の護衛艦隊からはシースパローが、F-2改からはAAM-12が発射された。

 それらは、ブースターの尾を引いて、飛行型へと突撃する。

 群衆で飛んでくる飛行型に見事命中するものの、それを補うほどの兵士級が向かってきた。


「各艦、主砲発射用意、順次撃ち方はじめ」

「CIWSだ!CIWS起動!システムを解放して迎撃せよ!」

「補給班、弾薬の補給に回れ!弾切れだけは起こすなよ!」


 護衛艦隊に装備されている主砲とCIWSが一斉に起動する。

 そして砲弾と弾丸がばらまかれる。

 密集隊形を維持したままの兵士級は、一方的にやられることだろう。

 しかし、それでもなお、異星人の圧倒的な物量の前には劣る。


『くそ、敵の数が多すぎる。ミサイルも機関銃も足りないぞ』

『ここは海自に任せて、我々は補給のために一度帰るぞ』


 そういって空自の戦闘機は、一度基地に帰還する。

 その間は、海自の護衛艦隊がその身をもって、全力で防衛にあたる。

 護衛空母「あかぎ」からは、海自航空隊の戦闘機が発艦し、空自に代わって警戒に当たっていた。


『ものすごい数だ。さすがのイージスシステムでも全部は追いきれないだろ』

『何言ってんだ。そのためのグングニルシステムだろうが』


 そんな無駄話をしている間にも、兵士級は少しずつ対馬島に接近しつつあった。

 的を絞らずとも兵士級に命中するものの、まったく数が減らない。


「もっとだ!もっと連射しろ!」

「CIWSの弾切れが発生しています!」

「『やまかぜ』から通信!『弾薬欠乏、戦闘継続困難』!」

「艦の方向を変えてでもCIWSで迎撃せよ!」


 そうこうしているうちに、最前線にいた護衛艦が巻き込まれる。

 そしてそのまま船体を食いちぎられ、沈没する。


「『はまかぜ』沈没!」

「全艦後退!交戦距離を維持しつつ後退せよ!」


 海自の護衛艦隊が、対馬島に近づきながら攻撃を続ける。

 この日は第6波まで攻撃が続く。

 こうして、日の入りまで何とか持ちこたえる海自。

 なんとか兵士級を対馬島に上陸させずに済んだ。

 今回の戦闘で、海自の護衛艦が2隻と戦闘機3機、空自の戦闘機2機を失った。

 それ以外にも、予備の弾薬まで使いつぶすつもりで戦闘をしていたことで、海自、空自ともに弾薬が底を尽きそうになる。

 これを聞いた防衛大臣の福田忠宏はこう呟いたそうな。


「やはり敵は財務省だったか……」

ここまで読んでいいただき、ありがとうございます。

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