彼女のお願い!?
「…まだ初対面なんだが?」
「知ってるわよ。」
なんでそんなに偉そうなんだ。
「何で俺にそれを頼むんだ?」
「んーまぁ安全そうだし私にあんま興味なさそうだったから。」
彼女の話はこうだ-昔から色々な男に絡まれたり、告白されたりして正直に言うとめんどくさいとのこと。彼氏が居ればそのような事も減ると思うから偽彼氏役をやって欲しいらしい。
変に断って逆上されても困るしと、少しためらいがちに話していた。おそらく過去にあったのだろう。
「俺にとってデメリットしかないような気がするんだが?」
「そんなことないよ?私を彼女にできるんだよ?凄いメリットじゃない。」
自分で言うか。確かに誰の目から見ても恐ろしいぐらい美人だが、彼女にしたら、クラスの恋する男子どもに恨まれたり、ナンパとかから守ったりなどデメリットが多すぎる。
「丁重にお断りします。」
「そんなこと言わないでよー。お願い出来る人が他に居ないんだよー。」
クレープでも奢るから、と必死になって言っているがそんなことで俺の安全な学校生活を終わらせる訳にはいかないのでそれでも無理だ。
「なんか面白い事になってんなー。」
なぜか健がここに来た。
じろりと健を睨むとそんな顔すんなって、たまたま通ってたら面白そうな話が聞こえたからだと言ったがこんな所通る訳無いので絶対尾行していたと思う。
さらに偽だったら良いじゃんやってみろよ、と恐ろしい事を言い出した。
「こんな美少女が困ってるのを放っておけないからね。」
「本音は?」
「急にどこの馬の骨か分からん奴が彼氏になったと知った時のみんなの顔が見たいから。」
うん、ぶっ飛ばすぞ?
ここまで性格悪いともはや清々しくなってくる。
「やらなかったら、お前の秘密間違えて喋っちゃうかもなー」
さらに脅しまでしてきやがった。
秘密がバレたら友達はおろか話し相手まで居なくなってしまうのでそれを言われたら従うしかなくなってしまった。
くそ、にこにこしているこいつらをぶっ飛ばしてやりたい。
「じゃあ、これからよろしくね。」
そうして彼女は、俺の手をとった。
その時の彼女の微笑みは誰が見ても恋に落
ちてしまいそうな程可愛らしく、美しい笑みだった。
そしてこの日から俺の人生が変わっていった
主にこいつらのせいで-




