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汚れた世界
人間とは醜い。そんな”人間らしさ”に尊さを感じるようになったのはいつだろう。
汚いものが寧ろ美しい。汚れは”アジ”である。
今の私は普段そういったフィルターで見ている自分自身とは違う外の醜い世界と大差ない。
そこにこそエロティシズムを感じ、ドーパミンを得ているのである。
壊れそうな、儚いものはエロい・・・・。
部屋に換気扇独特の吸引する低い音が漂い、夕方のセピアな部屋。
ソファに腰かけぼぅーっと天井の模様を見つめる。
何一つやる気の出ない私は冷蔵庫から作り置きしていた麦茶を薄グラスのコップに並々注いだ。
この部屋は物が少ない。そのせいか、注ぐ音が多少大きく反響していた。
こぼれないようにそっと口元に近づけ一気に飲み干した。
麦茶は再び冷蔵庫に戻しコップを流しに置いた。
そのままふらふらと寝室のベットまで歩き寝転んだ。