狼さんに出会った
この世界に来て一週間が過ぎた。魚を捕って食ったり、木の実を採集したり、薪にあたってキャンプしたりとか色々あった。まるで原始人になったかのような気分を味わったのだ。
そうやって、なんちゃってサバイバルをしていた俺は、――てか、サバイバル生活なんてする必要なくね? 魔法も錬金術もあるし、もうちょっと文明的な生活をしよう。――と思い至った。
必要なのは、衣食住だ。住はまあ、最悪森を出るとして……てか、森から出たくないなぁ、まだ。でも、まだ第一異世界人にすら会ってないし……、――……素直に村か町へ向かうか……。
俺はとりあえず森を出ることにした。異世界旅は始まったばかりだけど、ひとりぼっちって、わりと、とっても寂しい。
女神様がずっとそこにいるけれど、ウィンドウ越しだし……。
森さん、さようなら……。と森を出る。
そして道中――、狼に出会った。
『警告します。目の前にいるのは――人狼。狼の魔物です』
メッセージが出た。
狼の魔物だったよ。人狼っていうのか、普通の狼とはなんか違うと思っていたんだよね……。
人狼はサイズ的にはどうやら子供のようだ――地球基準では、この世界の狼の成体サイズ知らないから勘だけど。
「や……、やあ、こんにちは、狼さん」
俺は、友好的な感じに笑みを浮かべて挨拶をする。
「グルルルルルル」
狼さんは敵対的、――というか捕食者の目で俺見てるじゃん!! お腹空いてるのか!?
息遣いも荒く、こちらを見る眼はヤバイ、――イっちゃってる感じだ。瞳は赤かった。
これは、戦いを避けられそうもないな……。
人狼がちょっとずつ距離を詰めてくる。
どうする……。――って、悩んでいる暇なんてない! 魔物は待ってくれないのだ。
俺は即決する。迫り来る人狼の首を狙い風の魔法を放つのは、――気が引けたのでNGで、
「【突風】」
ーーピューーーーーー。
人狼を風の魔法で吹き飛ばす。
どうせ俺はヘタレですよ。
魚は殺められても、動物――それも子供――は殺められないってね……。
というか、俺のへなちょこ風魔法は効かないかもだし……。
人狼は「キャウン」という悲鳴をあげて吹っ飛んでいく。
それを合図に、俺は全速力で逃げ出す。
逃げながら、チラリと後ろを見ると――人狼、空中でくるりと落下速度を調整、スタッと格好よく着地し、追ってくる。
吹っ飛ばされても体制を建て直し追いかけてくる銀狼、それに対し、一目散に逃げる俺。
森を駆けながら――、目まぐるしく変わる景色を見ながら――、ああ……、生きてるなぁ。って実感した。
後ろではまだキャンキャン言っている。それが聞こえなくなるまで俺は駆けた。木の根に引っ掛かって、転んで痛みを覚えたり、泥まみれになりながらも、後ろに【突風】を放ちながら、俺は駆けた――。
道中、小動物の姿をした魔物たちとも遭遇したが、俺が襲われることはなかった。むしろ、皆人狼見て逃げる。ある意味人狼のおかげだ。だけど――、
「なんで私ばかり!?」
叫んでみたけど、答えはすぐでた。他にいかず、俺ばかり追いかけてくるのは、一番旨そうだからだろう。ミーシャのボディは、わりと肉付きいいし。
後ろから追ってくる人狼から全力ダッシュで逃げ、森を駆け巡っていたのだが、やがて、後ろからの足音が止んだのを契機に、ちょっと落ち着いてしまって、疲労困憊なのを意識してしまう。
どうやら体力の限界が訪れたらしい。
木にもたれかかり息を整える。
「……ハァ……ハァ……」
辺りに視線を回らせ警戒するも、人狼が追いかけて来ているという気配はない。
どうやら逃げ切れたようだ。途中途中で風の魔法を放ち、吹き飛ばしたのが功を奏したのだろう。
一度も引っ掻かれたり、噛まれたりしなかったのは、ツいていたといえる。人狼と出会った時点でツいていないといえばそれまでだが。
泥まみれな俺――ミーシャの身体には水魔法をかけることにする。
上方に手を向け、
「【流水】」
と、唱えると、
――シャーーーーーー。
水がシャワーのように飛び出る。
水がシャワーなら、シャワーヘッドはミーシャの手だ。
服着たまま水を被るという暴挙。だが、これはこれで――
「きーもちーーい」
感想言いつつ、俺は身体の汚れを洗い流す。すると当然、びしょびしょになる。と、そこで、服は風魔法で乾かそうと思い付く。――ああ、この手があったか……、あの時もこうすれば……なぁ。
「【微風】」
――ヒューーーーーー。
そよ風が吹く。むっ、あんまり乾かない……。
熱風が出せればなぁ……。今の俺ではレベルが不足しているらしい。
ちなみに〈女神ウィンドウ〉はミーシャの走りについてこれなかったのか、はたまた女神様が忙しくなって離席中なのか、定かではないけれど、どこにもなかった。
俺がそんな風に思考を回らせていると、それに割り込むかのように、
「ガルルルルルル」
後ろからそんな声。
俺は自転車の錆びたチェーンみたいになった首をギギギと動かし、後方を向く。
そこには――人狼がいた。
しょうがない。こうなったら迎え撃つしかない。うまいことやって、気絶させるか、と俺は構えた。人狼と向かい合う。
相変わらず、血走った眼をしている。
人狼が俺に向かって飛びかかる。
俺は飛びかかる人狼の勢いを利用した。俺は紙一重でかわし、横から人狼の胴体を抱き締めて、そのまま地面に叩きつける。
良心の呵責。かわいそうだけれど、仕方がない……弱者のままでいたら食べられちゃうし……。ちなみに毛はモフモフだった。
人狼は背中を強く打ち付け、「グエッ」と苦悶の声をあげる。俺は構わずお腹丸出しの人狼に跨がり、殴り付けようとした――。
そんなことをするのはかわいそうだと思ってしまうが、多少痛い目を見せねばまたやられると思ったからだ。躊躇ってはいられない。時には手を汚すことも重要なのだ。……殺すつもりは微塵もないが。と覚悟を決める。だがその覚悟は――無駄になった。
なんと人狼が薄布を着た女の子に変化したのである。俺と同じくらいの背格好の幼い少女だった。おいおいおい、これはいったいなんじゃらほい。
人間の姿になった人狼は、人狼というだけあって狼の名残がある。頭に狼耳があって、尻尾も生えている。綺麗な瞳をしていた。血走っていた目は、今は落ち着いている。打ち付けられて正気を取り戻したのだろう。だけど、一応、常備しておいた木の蔓で手をしばって――と。あれ? 抵抗しないぞ? まあ、それならそれで好都合だ。色々やり易い。口は会話を試みるため、ちょっと怖いけど縛らないでおく。
そして次はとりあえず、胸部の薄布を捲り上げ、確認する。
ふむふむ。おっぱいがちょっと膨らんでいるので、雌だ。
双丘の頂きまで見てしまい、俺はやや興奮気味に、
「キミ、雌だったの!?」
少女に跨がり続けたまま、言った。
人狼は少女の姿になってもあまり体長が変わらず、俺のお尻が敷いているのは、丁度、お腹の位置である。
「……うん、ユナは、女の子」
「ユナって名前なの? いい名前だね」
「……ありがとう」
「なんで、人間になったの?」
「戦う意思ないから……」
「でも襲ってきたよね」
「ごめん、なさい……、正気じゃなかった」
「そっか、とりあえず調べさせてね。私は襲われたんだから」
「……わかった。でも、武器隠してない」
俺はユナの言い分をスルーし、舐め回すように少女改めユナの体を見た。
うん、これは形のいいおっぱいだ。
それに肌も毛で覆われたりはしていない。すべすべしていそうだ。
身体検査しまーす。お兄さんがお触りしますよー、と断りお触りする。
さわさわ。肌の感触は、すべすべ、もちもち、していて、女の子らしく丸みがあり、えっろい身体をしているのがわかる。
俺が触る度に、
「んっ……うっ……」
ユナもビクビクと反応を返す。艶やかな声だ。
なんだか、獣姦、野外プレイ、という単語が頭に思い浮かび、興奮してきた……。
――ユナの呼吸に合わせ、ユナの胸が上下する。
「ゴクリ……こ、ここも調べるよ……」
俺は、おもむろに、ユナの揺れる双丘を鷲掴みにする。
ミーシャの手が小さいのか、ユナが意外ともっているのか手で完全に包み込めない。
俺は、や……やわらか……おっぱいだ。と人生初おっぱいの感動を深く噛み締める。
人生初おっぱい、最高っす。
童貞(今は処女?)の揉みテクで、力を込めたり緩めたりして、揉み解すと、少女の声も色めきだし、エロくなっていく。
吐かれる吐息は生暖かく、身体も徐々に火照っていっているのがわかった。
胸はうるさいくらいに早鐘を鳴らしている。ミーシャのも――、今揉んでいるユナのも――。
「はぁ……はぁ……」
ユナの胸に、顔を埋め、くっつく。
ユナが興奮しているのが、密着しているからか、モロに伝わってくるのもあって、俺もめっちゃ興奮してきた。
「ふぁ……あっ!」
――ビクンビクン。
痙攣して、口内粘液をだらーりと垂らすユナの顔は、蕩けきっていた。
よし、もっと、追い込もう……。
「そ……そんな顔をされたら……俺も我慢、できない……」
俺は我慢の限界に達しようとしていた。
や……やばい……絶頂しそう……。
下腹部がなんかジンジンするのである。
「発情の香りする」
少女は鼻をピクピクとさせ、発情の匂いを目敏くならぬ鼻敏く嗅ぎ付ける。
人狼つまり半分獣だから鼻が良いのだろう。どうやら人狼から少女に変化しても鼻は効くらしい。
「っ……」
発情を明確に指摘された俺は、恥ずかしくなり顔を染める。
「エッチ、したい、の?」
ユナはエロい声で俺に問い掛ける。
「したい。――じゃなくて、な、何言うの!?」
……あっぶね。慌ててごまかしたけど、なんか即答してた。それでも乳は揉む。そこにあるから。
「ユナ、生の実感したい……」
と、突然何を言うのかなこの娘は! 俺は内心で動揺し。冷や汗を垂らす。
「な、生々しいことを……」
「このままだと……、飢えて……、食べちゃう……かも……」
食べるってどっちの意味で!? どっちにせよ、こんな可愛い娘に食べられるなら本望かも……と思い始めていた。
「ユナはお腹が空いているの?」
「……うん。ユナ、ひもじい……」
ユナのお腹が可愛く鳴る。俺はこのままじゃかわいそうだと思った。
「ユナ、食べ物を取りに行こう。俺はミーシャ。よろしく」
「いいの? ミーシャ」
いいの? とは食べ物を取りに行くことにたいしての問い掛けなのだろう。
「うん。ユナを助けるよ。ユナとは今日から友達だから」
「友達……」
ユナが顔を近付けてくる。俺は、ユナに両手で顔を挟まれた。
「ん? どうしたの……ユナ?」
俺は訊いた。ユナは返事をせず顔をぐいっと近付け、
ち、ちかいっ……。と思う俺を置き去りに。
――チュッ。
ユナは俺の唇に口を付けた。ペロペロ舐められる。
「ふぁ……」
え……、今……何を……されたの……ユ、ユナの味が……、あっ……、甘い……。
段々と理解が追い付く、顔から湯気が出る。
う……うわぁ……ファーストキスを……ユナと……したのか……。
「銀狼に伝わる友好の契り――裏切らないでね」
若干不安そうにこちらを見てくるユナ。
……こんなの裏切れるわけがないじゃないか。
「……うん、も……もちろん……、裏切らないよ」
俺はユナを安心させるために、ギューとした。華奢な幼女の身体はちょっと力をこめれば壊れてしまいそうで、丁寧に扱わないとな、と思わされる。
「ありがとう。これでユナたちは友達」
ひまわりのような笑顔でユナはそう言った。