心臓マッサージ
呪われたリンゴの木のこれまた呪われた実を食べたことで、カタリナ様が気絶しましたとさ。あらら。
俺はお姫様抱っこしていたカタリナ様を一旦下ろす。ミーシャの筋力ではちょっと重たいしね。
カタリナ様を優しく下ろし寝かせ。
――まずは心音の確認。
浅い呼吸をしてるのはわかるけれど、一応自分のお耳をカタリナ様のお胸――たゆんたゆんなそのおっぱい。に当てちゃいます。
まず一当て。ふかーく、ずずずっと頭が沈みこんだ。
すぐに、ぽよんぽよんとした弾力でちょこっと押し返される。
うおおおおおおおおおおおおお!!
俺は感動したッ!!
おい、この乳袋! ふっかふっかの枕のようにやわらけーぞ!
よし、次は心臓マッサージだ! とばかりに手をわしわしする。
これは医療行為。これは医療行為。とカタリナ様のたぷんたぷんなお腹に馬乗りになりながら俺は自分を弁護する。
――なにはともあれ、人生初おっぱいモミモミが目の前だ!
ドクンドクンと心臓が荒ぶっている。
ちょこんと一瞬パイタッチ。
ぷるん。
ん? もう一回。
ぷるるん。
んん? さらにもう一回。
ぷるるるん。
こ、これは――プリン見てぇだぞッ!!
ぐわし。と両手でおっぱいを優しく包み込んだ。
うおおおおおおおおお、やっべーやわらっけぇ!!
次は、いよいよ、おっぱいモミモミタイムです!
ぐにょんぐにょんと回転を加え。
ゆっさゆっさと左右に動かす。
そして。上下にぐにぐに。
うっほほいー最高のーおっぱいだぜッ!!
ぷるんぷるんだぞ!! ぷるんぷるん!!
俺はまたしても感動したッ!!
一旦、おっぱいを揉む手を止め、名残惜しいが離す。
次は乳首当てゲームだッ!!
乳首はこの辺かな!?
両人差し指を構え、
「タッーチ!!」
ブスっ!! と当てた。
「――きゃうん!」
カタリナ様がエッチな声だして、ピクンと動いた。
「ごほっ――ぶっほ!!」
そして。プッとリンゴの欠片を吐き出した。
それが、俺の顔面に直撃!!
「きゃあッ!!」
思わず女の子の声出しちゃう俺。
今の俺は寛大で、――唾液か胃液か知らねえが、ビチョ濡れできたねえじゃねえか!! この野郎……じゃなかったアマ!!――とはならなかった。
おっぱい揉めたからもうなんでもいいっす。
――俺は童貞からおっぱい怪人に進化したのさ!!
「ミーシャ……ちゃん……? ……はぁはぁ、人の……ふぅ……おっぱいを……はふぅ……勝手に……」
荒い息を吐きながらカタリナ様が喋る。
「揉んだけど」
「けど!?」
「ごめんなさい」
勢いよく頭を下げる――下げすぎて思わずカタリナ様のおっぱいに顔をうずめこんでしまった!
「――あぅんっ! ――こ、このぉ……よ、よくも!!」
カタリナ様は乱暴に俺の頭を引き剥がした。
横から頭を掴み持ち上げ、おでこをべちんっと押したのだ。
「今、エッチな声出てたね」
俺がうっかり失言をすると、カタリナ様が青筋を浮かべ、
「死ね! このクソ野郎ッ!! 女の敵!! 奴に神罰を――【神罰――」
カタリナ様の元に例のプラズマが集ってきた! しかも、異世界だからか心なしか地球よりも濃密な気がする!
錫杖無くても出来るのかよ!! てか、その詠唱はヤバイッ!!
それを食らったときのことをフラッシュバックする。
――ビリビリビリビリィィィ!! バチバチバチバチィィィ!! という電気椅子にかけられたかのような痛みを伴う電撃とその後なんかバーベキューされた事が頭に浮かぶ。――
俺はカタリナ様のお口を必死でふさいだ。
「――ふがふが!」
どうやら詠唱キャンセル出来たようだ。
「許して!! マジでごめんって、私たち友達じゃん!!」
畳み掛けるようにカタリナ様の唾でしっとりした手を合わせ、免罪符片手に全力で謝った。
「う……――もう二度と無許可でこんなことやらないって誓って?」
やっぱり『友達』って言葉が弱点らしい。感度良好だ。
それはともかく、わざわざ無許可って付けたのが気にかかった。
「許可あればいいの?」
「――ッ! そ、それはっ……」
カタリナ様が目を見開き、顔を一気に真っ赤っ赤に染め上げた。かわいい。
そして、もう一言。
「いつか……ね……」
恥ずかしげにぼそぼそと言った。
――いつか!?
思いがけない好感触に熱意を漲らせカタリナ様の好感度稼ぎまくろうと心に決める俺だった。
ついさっき、嫌がることはよそうって決意したんだけど、性欲の前には無駄でした。ごめんちゃい。