表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ひ、ふ、み、よ、  作者: かたち
3/3

 わたしはいつのまにか歩いていた。そんなの気づかなくて。歩き方。どうやって歩いているのか。そういうことわたしは知らななくて。なんのため、なにがため。どうでもよかったけどじつは知りたかった。うっっすらと不安だった。

 

 二階にわたしたちのクラスはあった。靴は履き替えて。学校指定のなんてことない靴だった。一年生のときから変わらないなんてことない靴だった。

 そういえばわたしたちは二年生になったんだな。そういうことを階段をのぼりながら知った。


「なゆみー教室わかってるのー」

 なゆみは新しい教室なんて知らない。でもわたしよりはるか先に走っていった。春はそういう季節らしい。

「わかってますー」

 そういって別のクラスに入っていった。

 

「なゆみそこは違う」

 えっそうなの。なゆみはきょとんとして動かなかった。

「わかってるの。こっちじゃなくてあっち。わかった?」

 そうはいっても。なゆみはこの教室を気に入ったよう。

「だから違うって。お気にでも向こうにいくしかないの」

 そんなのしってるよ。わかっている風になゆみは先に教室をでていった。


 わたしたちの席はとなり同士。なゆみはよくこちらを見る。話しかけてくる。他愛もないはなし。ちょっとはなすぐらいならいいけれど。あまりに話してしまうと迷惑だから。わたしからは横をみない。まえだけをみている。ちょっとだけ横目で見て。ちょっとだけだよ。そうでなくても。なゆみが横にいてるのわかってるから。わたしはただそれを感じているから。

「あっ…」

 桜はどんどん散っているから。わたしは春をそうお気楽には捉えてなかったけど。わたしの机に桜がとんできて。それを指でつかんでみていると。わたしは春を勘違いしていたかもなとかおもってみたり。そういう季節が春なんだよ。そういうこともよくしっていたけど。そうおもってもばちはあたらない。だって春はそういう季節なんだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ