episode-7
『……そろそろ、潮時のようだ。
(お~じさん)(若い女性の声)
彼女に、見つかってしまった。
(逃げないでよ)(若い女性の声)
銃持った殺人者に追われて逃げないヤツは知らないなぁ!
(銃は持ってるけど、殺人者じゃないって)(若い女性の声)
──あぁ、自称殺人鬼だったか。
(そうだよ。
殺人者なんて生易しいもんじゃない)(若い女性の声)
なぜ私を追うんだ?
(おじさんが逃げるから)(若い女性の声)
私が逃げなければ──私が足を止めたら、君も足を止めるのかい?
(追いかけはしないけど、足は止めない。)(若い女性の声)
じゃぁ、逃げるしかないだろう
(止まってくれれば、すぐに終わるのに)(若い女性の声)
君はなぜ私を追うんだ?
(さっきと同じこと聞いてるね。)(若い女性の声)
そもそも、どうして君が私のことを捜していたんだ?
(私じゃないよ。)(若い女性の声)
(おじさんを捜してたのは、あの子だもん)(若い女性の声)
……あの子?(発砲音)
急に撃つな!
(あ、ごめん。
今のは……誤発?
手が滑っちゃった。
これ慣れないから)(若い女性の声)
ごめんで済むか!!
(まぁ、そろそろ人も減ってきたし、撃っちゃっても問題ないんだけど)(若い女性の声)
恐ろしいことを言うな!
(じゃぁまず、止まろうか。)(若い女性の声)
……振り向くと、私を追っている少女が銃口をこちらへ向けていた。
そろそろ本当にやばいかもしれない。(小声)
(小声で何言ってるの?
止まらないと、撃つよ?)(若い女性の声)
はいよっと
(あ、止まった。)(若い女性の声)
とりあえず、足を止めて体ごと振り向いてみた。
(急に振り向かないでよッ)(若い女性の声)
長銃はどうした?
(長いのは、走るのに邪魔だから今日は持ってないよ?)(若い女性の声)
短銃だけか?
(これは、いつものじゃないよ?)(若い女性の声)
いつものはどうした?
(証拠になりかねないからおじさん追うなら置いてけってあの子に言われたから、どっちもあの子のとこ。)(若い女性の声)
そうか。残念だ。(発砲音)』