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私の不運。2

じゃんけんに勝ってしまった瞬間、周りから聞こえる、羨ましいという声をバックに私は一人絶望した。慎ちゃん…否、神城慎と知り合い、どころか幼馴染ということは、学校の人間には誰一人として教えていないからだ。

今通っている高校は、ここら辺では割と偏差値の高い、制服の可愛くない女子高だ。だから、というわけでもないけれど中学時代仲のよかった友達たちは他の学校に行き、この学校にいる同中出身者は総じて全員、大して仲のよくない子達ばかり。だから、学校の人たちは全員知らないんだけれど…。


「だ、誰か変わらない?」


今なら喜んでエキストラ出演券を譲る…!!!


と思っても速攻で先生からNGが出てしまった…。

喧嘩になるから駄目って、いや、うん、高校3年生相手にその言葉もどーよ、と思わないでもありませんが、私が言った瞬間クラスメイトの大半の目がキラキラと輝いて怖かったです。


エキストラは、来週月曜から行われ、エキストラ出演者たちは授業免除、らしい。ありがたいけどありがたくないー!と思うのは私だけらしく、もう一人に選ばれた、というか勝ち抜いた戸田さんは心の底から輝いていた。…コレが慎ちゃんじゃなければ私も喜べたのになぁ。



じゃんけん大会の行われたホームルーム後、私は即効で慎ちゃんにメールを送った。


『To:慎ちゃん

件名:ドラマのロケ地私の学校だなんて聞いてないよ!


本文:クラス全員によるじゃんけん大会の末、不本意ながら勝ち進んでしまいエキストラ選ばれてしまいました。クラスの人たちはもとより学校の人には慎ちゃんと幼馴染だって言ってないので、他人で通してね!ヨロシクデス』


若干メールが他人行儀なのは仕方ない。うん、多分。メールの返事は期待せず、私はまっすぐ家に帰ったら、家に帰って携帯を開くと返信が来ていた。今日は早いな、なんて思いながらメールを開く。


『From:慎ちゃん

件名:だって守秘義務だもん


本文:えー、俺と共演するのに不本意なの?別に俺と幼馴染だって言いふらしてもいいじゃん、碧依の友達だったら喜んでファンサするよー?ということで全力で拒否します。監督とかに、エキストラに俺の幼馴染いるって言っちゃったし、多分無理だよ』


……………………。

メールに書いたのに。書いたのに。

なんで言っちゃうの…。


慎ちゃんの幼馴染がこんな平凡顔だなんて思われたくないのにー!!!

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