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私の災難。4

久々の更新です。

慎ちゃんに釘を刺されても諦めなかったらしい上村サンは、熱心に勧誘?シテマスケドモ。

私は出るつもりはありませんよ?

お父さんとお母さんはきちんと聞いてるみたいだけど、時々私に視線をよこす。


「あのー、熱心にお話してるところ悪いんですが、私出るつもり有りませんよ?」


さすがにめんどくさいなー、と思い出したので口を挟む。芸能界なんかに興味はないし、慎ちゃん見てると大変だなー、っていうのがわかるから余計なのかも。プライベートなんてあってないようなものだし。

自分が美人ではないとわかっているし、第一推薦狙いとはいえ私は受験生なんだから、CMに出る、とかそんな余裕はないんだから。


「それに、プロの方々の中に一人素人が出ても迷惑がかかりますし」

「そこはカバーしますよ」

「…はっきり言いますけど、芸能界とか、興味ないですし慎ちゃんと共演とかどうでもいいです。慎ちゃんは慎ちゃんでマジメにお仕事してるのに、そこにただのお隣の幼馴染が出るとか、慎ちゃんの立場が悪くなりそうなんでお断りします」


無表情のまま、2人を見つめて話す。ただの素人の女子高生を起用するとか、お仕事を欲しがってる女優さんとか芸能人の方たちに失礼じゃない。プロにはプロにしかできない仕事があると思うんだよね。だから、私はそこに入ろうとは思わない。

もちろん、自分が望んでその場に行く、というのなら別だろうけど私はそんな気は毛頭ない。


「確かにそちらからすれば何も知らない素人の小娘を起用したほうが安上がりかもしれないですけど、それはそちらの都合であって、慎ちゃんのお隣の幼馴染である私がOKを出すのとは別ですし。―それに、慎ちゃんと幼馴染、という人物を起用したいんでしたら性別こそ違いますけど、サッカー選手の美島彬を起用したほうが話題になるんじゃないですか?」


美島彬は私より7つ上の実兄。海外移籍目前、と言われてる実力あるサッカー選手、らしい。確かに日本代表とかに選出されてるのは知ってるし、昔からサッカー漬けの生活をしてるから正直お兄より慎ちゃんとの方が兄弟っぽいと私は思ってるけど。

話題性を選ぶなら、お兄を選んだ方がいいよね。現役サッカー選手と幼馴染、っていうのはすごいと思うんだよね、たぶん。


「美島彬、というと…日本代表のDFの…」

「…愚息ですが」


ぽかーん、としてる坂田さんのつぶやきに、お父さんが反応する。…まあサッカー以外は妹の私から見ても頭足りてない人だけどさ。

お兄、あんまりTV映るのは好きじゃないって言ってるけど、若干シスコン入ってる(By慎ちゃん)からお願いすれば出てくれるような気もするんだよねー。試合とかとスケジュール合えばだけど。


「…とりあえず、今日はもうお引き取りいただけますでしょうか。彬が出るにしても碧依が出るにしても、もう一度話し合ったほうがよろしいでしょうし」


お母さんが笑顔で出てけ、と促してる。


「で、では今日は失礼させていただきます。突然の訪問、失礼いたしました」


坂田さんが礼儀正しくお辞儀すると、それに上村さんもつられてお辞儀してから我が家を出て行った。

2人が消えた後、リビングのソファで3人そろってため息。スケープゴートにしてしまったお兄には悪いけど、もう私のところにあの人たちが来ませんように。

私はそう、冷めたお茶を飲みながら思ったのだった。

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