ギャップ
この日は、真っすぐ家に帰った。もうすぐ中間テストだから嫌々、仕方なく勉強をする事にした。
間もなくして携帯が鳴った。アタシはきっと香奈からだろうって思ってた。それは、予想もしてないアナタからのメールだった。
『こんちわぁー!意味もなく甘栗むいちゃいました。戸川でぇーす!』
『ハッ?!…何これ?意味不明なんだケド?』
アタシは頭の中が真っ白になってしまったんだよ!だってアナタがこんなメールをするなんて思ってもなかった。とりあえず簡単に返事を送った。
『ってかウケる!笑』
ちょっとしてから、またメールがきた。
『ねぇ知ってる?ガチャピ*とムッ*の秘密!』
んっな事、知らないし…。本当に笑えた。アタシは今までのアナタの印象をブチ壊さなければいけないみたい。だけど、それは…きっと周りもそうだと思う。あまり誰とでも話さないアナタ…近寄りがたいアナタ…。誰もが今のアナタを想像は出来ないよ。そんなアナタのギャップにアタシは今、ハマッてしまったんだと思う。
その後も少しメールのやりとりをしてから勉強を再開した。けれど全く集中できなかったんだよ…。何度も何度も携帯の受信画面をみてしまったから…。
だけど次の日からアタシは、アナタにノートを貸した手前、悪い点数がとりたくなかったから一生懸命勉強をした。おかげで、いつもより成績が良かった!(笑)
アタシは勇気を出して学校で話を掛けた。
『ねぇ戸川君…テスト出来た?ノート分かりづらかった?』アナタは申し訳なさそうな顔をしてアタシを見たよね!『ノートは見やすかったんすが俺が馬鹿だから赤点ギリギリッス!中川サンに申し訳ないッス』だって…。でも、どうやらいつもよりは良い結果だったみたいなので安心した…。ってかギリギリもどうかと思うケド少しでも役に立てたなら良かったって思えた。