応援団
アタシ達の学校は9月に体育祭がある。そして夏休み間近に応援団が募集された。
『ねぇ!奈美ッもち絶対ヤルよね?』
『うん!もちろん!だって高校生活最後の体育祭だしッ』
『だよねぇー。だって今まで前の先輩達が問題起こして、なかったもんね!』
そうなんだよね…。何年か前の先輩達が問題を起こして伝統的な援団は行なわれなかったんだよね。スゴい迷惑な話だよ!だけど今年から3年生がメインで1・2年生は少人数での応援団結成が認められた。
放課後、体育館に援団希望者が集まった。アタシと香奈は職員室に用事を済ませてから体育館に入った。遅れたから、そーっと入ろうと瞬間…お決まりのように。
『おぉーい!ナッチャン!ナッチャン達もやるの?』
…タッチャン‥。こんな後輩や大勢の前で叫ばないでよ…。しかもメッチャ立ち上がって手を振ってるし恥ずかしいじゃん!
だけどまぁ〜。いつものコトだし…仕方ないかぁ〜。
『ハイハイ!そんなバカは、ほっときな!奈美・香奈どこでも良いから座って!笑』
今回、援団結成を仕切る理恵が言った。
理恵を中心に援団の内容や練習日程がいろいろ説明された。
『香奈!夏休み結構〜練習あるんだね!でも楽しそう〜』
『だよねぇー!頑張ろう!これぞ青春だね』
『何それ!香奈マジくさいよ。いつの時代のドラマだよ?笑』
『まぁまぁ〜良いじゃないの!それより…戸川君もやるみたいだね!』
『そうみたいだね。何だかんだ目立つ人ばかりで面白そう!楽しみだな』
夜…メールがきた。アナタからだ。今日、メールがくる気がしてた。
『ナッチャンも援団やるんだね!俺もやろうかな』
『えっ?やるんじゃないの?体育館に居たよね?』
『達也達が行くぞ!って言ったから付いていったんだ。だから俺は悩み中なんだ』
『そうなの?やれば良いのに!思い出になるし他の人達と仲良くなるよ?』
『じゃナッチャンが言うなら、やろうかな!ってか気付いてないかと思ってた…』
『何が?』
『全然‥目が合わなかったし見てなかったから』
ドキッとした…。うん‥アタシはアナタと目を合わせなかったから。
『あっタッチャンがスゴかったから、そこら辺あんま見れなかったんだ!ゴメンね』
『そうなんだ?達也ハズイ奴だよね!ナッチャン慌ててて可愛かったよ!笑』
エッ?可愛い…?あっ!でも落ち着け奈美!コレは可愛いでも違う意味の可愛いだから気にしちゃダメ!!ダメなんだから!
『戸川君アタシをからかってるでしょ!もう本当恥ずかしかったんだから!笑』
『からかってないよ!でも俺も、やっぱ援団やるよ!これからヨロシク』
『うん。ヨロシクね!お休み』
スゴいビックリした。可愛いもそうだケドあえて見てなかったコト気付いてたんだね…正直アタシも気付いてたアナタがアタシを見てたコト…気付かない振りをしてました。
そして、もう1つ気が付いた。アナタの言葉遣いが変わったコト…知らぬ間に距離は縮まってきたのかもしれない。