認めたくない
昼休み、アタシと香奈はホールでお弁当を食べてた。
『香奈…何だか分からなくなってきたよ』
『エッ?何っイキナリ?』
『戸川君‥』
『何でぇ〜?戸川君、奈美にスゴいラブ光線じゃない?それに奈美だって好きなんじゃないの?』
『いや‥戸川君がアタシみたいな子スキにならないよ。やっぱり…でも戸川君の考えてるコトが分からないの』『奈美…うん分かるよ!もしアタシが奈美の立場だったらって考えると分からないよね』
…‥…‥。
『けれど奈美あのサァ〜。自分のコトは分からないケド第三者が見れば分かるってコトあるじゃない?だからアタシから見た戸川君と奈美は良い感じだよ』
香奈のこの言葉はスゴク優しくって温かくって胸に染みた…
けれど、それと同時に言いようのない不安で押し潰されそうになった。
アタシは自分に自信がない…。
取り柄なんって言ったら元気だけ…可愛くもないしスタイルも良くない。なのに、あんなオシャレで格好良いアナタがアタシをスキなんて考えられないんだよ…。それに、つり合うハズないよ!もし、これでアタシがアナタを好きになってゲームだった。本気にした?って言われたら立ち直れないよ…。だから素直に自分の気持ちを受け入れられない…。正直‥自分の気持ちは認識しているよ。けれど、それは心の奥底に閉まってる。だって言葉に出してしまったら、もうアタシの気持ちは止められないもの…。だから恐い。。。アナタにハマッてしまう自分が本当に恐いの…。バカだと思うよね!けれどコレはアタシの中で変な意地になってしまったの…。ちゃんとアナタの気持ちがハッキリ分かるまで好きとは言わない。好きだって認めたくないって…。