ナッチャン
期末も無事に終わって球技大会が始まった…。アタシはバスケ部だったから、もちろんバスケを選んだ。そしてアナタも中学の時バスケをやってたから同じだったね…。
試合前、アナタとすれ違った時アタシは勇気を出して『頑張って!』って言おうしたんだよ。だけどアナタと目が合った時スゴク緊張しちゃったし周りも、いっぱい居たから言えなかった…。何よりタッチャンが凄いテンションでアタシ達は、苦笑いしちゃったね‥。『ナッチャン!まじ俺ら勝つから応援ヨロシク〜!本当〜女の子のハートをガッチリ掴むんで!』
『タッチャン〜。気合い充分じゃん!それに、そんな事しなくっても人気充分だよ!』(笑)
『マジぃ〜?こりゃもん格好悪いトコ見せらんねぇーなー!』
『ハイハイ!分かったから。もう試合だよ!』
『本当だ!行くぞ!隆ッッ』
あっ…行っちゃった…。タッチャンは嵐のような人だなぁ。
『奈美ぃー!男子の試合始まるよ!早くっ』
『うん!今、行く』
香奈が特等席を取って待っててくれてた…。アタシはアナタの活躍をココで応援しているよ!アナタはアタシの存在に気付いてくれるかな?ううん…。こんなに、いっぱい居るし気付かないかもね。。。
試合が始まって、両チームとも引けを取らなかった…タッチャンやアナタの活躍を見てるとスゴい興奮した!普段はダルそうに受けている体育の授業なのに全然違うんだもん!(笑)
周りの女子達も超ー興奮して応援してた。でも、そんなのも真剣にプレイをしてるアナタには届かないのかな?本当に良い試合でアナタがシュートを決めようとした時アタシは思わず…。
『戸川君ッ頑張って!』
エッ…?!
一瞬アナタの目線が、こっちに向いた気がした…。ちっ‥違うよね?うん。絶対、気のせいにだよ…何だか、それから試合に集中出来なかった。
夜、アナタからメールがきた。
『今日は応援有難う!嬉しかったデス』
やっぱり気のせいじゃなかったんだ…。顔が熱くなってしまった。
『聞こえたの?』
『うん。ちゃんと中川サンの声が聞こえたよ!』
『そっかぁ…何だか恥ずかしいな』
『いや!本当に嬉しかったッス!あと俺もナッチャンって呼んで良い?』
『うん!』
『じゃ、ナッチャンお休み』
『お休み!』
アナタは、ずるいです…アタシの顔は熱くなりすぎてヤバかった…。