第5話
「どうすれば……。」
アンが、あまりの事にどうすればいいか分からなくなっていた時、スマホが震える。
「落ち着くことを推奨。」
「そんなこと言っても……!」
「牢屋からの脱出方法を検索。」
「え?!」
「——鍵穴に付けているヘアピンを入れて回して見てください。」
「こう?あっ!回った!」
アンはなんとか震える手で牢屋の鍵を開ける事に成功した。
「最適逃走ルートを検索——表示されたルートに従って移動してください。」
「わかったわ!」
アンはAIの言う通りに移動する。だが、……。
こっちね!
アンはうっかり間違えて逆の道を行ってしまった。スマホが震える。
「ストップ!引き返す事を推奨します!」
「あ、本当だ。道間違えてる!」
「おい、今、誰かの声が聞こえなかったか?」
「は?気のせいだろ?」
警備兵が辺りを捜索する。アンはなんとか置いてあった樽の中にはいって隠れることができた。
「ふぅ……」
元の道へと戻る。ルートに従って行く。今度は警備兵に会うことなく地下牢屋から脱出できた。
「次は……」
次は地上の王城から脱出しなければならない。脱出しようと足を動かした時だった。スマホが震える。
「無実の証拠を集めましょう!」
「証拠?」
「無実を証明しなければ逃げ続けることになってしまうことを提示。」
「なるほど、確かにそうね。」
「検索——まず、この部屋に行って黒い石を取ってきてください。」
「わかったわ!」
アンはAIが示すルート通りに行き、黒い石のある部屋まで着いた。
「ここからどうすれば……」
「変身魔法で警備兵に変身することを推奨します。」
「!なるほど!その手が!でも、私変身魔法10分しかつかえないのよね……。」
「最適ルートを提示、10分で取ってきてください。」
「わかったわ!」
アンが部屋に入ると別の警備兵とすれ違う。
「おい、お前。」
「は、はい!」
「なんの用でここにきた?」
「はい、えーと、黒い石を見に来ました?」
「あ?黒い石?ああ、あれか。今日押収された。」
「はい。」
「貴重な証拠品なんだから厳重に扱うように!」
「はい!」
アンは冷や汗をかきながらもなんとか黒い石のところまでたどり着いた。
「これね。」
アンは石を回収するとスマホが震える。
「今度は薬の帳簿を見つけてください。」
「薬の帳簿?」
「ここにあります。」
変身魔法が解けるギリギリで部屋を出る。今度もアンは示された部屋へとゆく。そこには沢山の記録帳簿があった。
「こ、この中から探すの?!」
「大丈夫、ここにあります。」
AIが場所を示す。
「ほっと、したわ。」
そして、その帳簿を手に取ろうとする。他の帳簿が今にも崩れそうになっていた。アンはなんとか崩れそうな帳簿を押しのけて帳簿を取る。
「これは……エミリの記録?」
「はい。そこにエミリが使用した薬が記録されています。」
「は?!これは……!」
一方その頃、地下室では。
「たっく、休日だってのにまた仕事かよ。面倒ごとばかり起きるぜ。」
警備兵の1人が愚痴っていた。アンの牢屋の前にくる。
「?」
牢屋が開いていた。
「!緊急事態!緊急事態!獄卒が逃げた!全部門に通達!獄卒が逃げ出した!直ちに捜索しろ!!」
と、王城内へと魔法で放送される。
「まずい!」
アンは急いでその帳簿を持って逃げた。
「ルートを提示!」
AIが道を示してくれた。その道通りになんとか脱出しようとする。廊下で警備兵に見つかりそうになる。スマホが震える。
「緊急事態!右側から警備兵が接近中!直ちに身を隠せ!」
アンは置いてあった大きな鉢植えに身を潜める。
「おい、今誰かいなかったか?」
「いや、俺は見てないぞ?」
「気のせいか……」
警備兵が去ってゆく。アンは警備兵が去ると鉢植えの影から出て裏門を目指す。裏門は警備兵がいなかった。
「急いでください。警備兵が戻ってきます。」
AIの言う通りに急ぐ。アンは急ぎすぎて靴を片方落としてしまう。
「あ!」
「ダメです。すぐにここを去りましょう。靴は放っておくしかありません。」
AIの言う通りに逃げる。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
王城からの脱出に成功した。
「でも、これからどうすれば……」
スマホが震える。
「エミリの奇跡について調べましょう。」
「エミリの奇跡について?」




