2/2
夜
ガラスの鳥が蜉蝣のような翼をはためかせ羽ばたこうとする夜。
博物館の骨たちが生者より生き生きと活動する夜。
冬の亡霊が憑きたくなる人間を探してさまよい歩く夜。
地中の数えきれない虫たちが人間になる夢をみる夜。
再生を願い星空に祈る子供たちが衰弱していく夜。
ふたりでいるのにひとりのままの私たちが虚しいキスをする夜。
線路を軋ませ幻の列車が目の前を通りすぎていく夜。
きらきらと輝く美しい死体を抱きしめる夜。
また独りぼっちになって安心する凍えた夜。
ため息が雪のように真っ白に闇を包み込む夜。
業火に焼かれ爛れた肌をどうしようかもてあます夜。




