序章3:接触 - 学園都市コロニー・ルウム (3) レウルーラ艦橋にて
ネオ・ジオン旗艦レウルーラのブリッジ。
艦長は指揮席に座ったまま、副官からの報告を受けていた。
「艦長、速報です! サイド5の学園都市ルウムにて、ミネバ・ラオ・ザビ様の姿が確認されました!」
艦長の報告を受けたナナイ・ミゲルは、メインモニターに映し出される航路図から顔を上げた。
「ミネバ様が、ルウムに…?」
「はい。複数の情報ルートからの報告で、間違いありません。目立った護衛は確認されておりませんが…」
ナナイは腕を組み、思案顔になった。
ミネバがこのような場所に何の目的で現れたのか。
公の場に出ることを極端に嫌う彼女が、学園都市のような場所を選ぶとは考えにくい。何か裏があるに違いない。
艦長が身を乗り出した。
「ナナイ様、ビスト財団の動きも探らせておりますが、現時点ではっきりとした情報は…」
「時期が重なる以上、無関係とは考えにくい。」
ナナイは艦長の言葉を遮り、低い声で言った。
「ブリッジクルー、進路を微調整。ルウム宙域へ、警戒レベルを一段上げつつ接近する。」
指示を出すと同時に、ナナイは傍らに控えるレオ・ヴァンシュタインに視線を向けた。
「レオ、お前に新たな命令を与える。ルウムへ向かうシャトルには、お前と親衛隊が搭乗する。ミネバ様の動向を極秘裏に探れ。そして、もし可能であれば、彼女に接触し、ルウムにいる理由、そしてビスト財団との関わりを探れ。」
レオは、その精悍な顔に一瞬だけ疑問の色を浮かべたが、すぐに忠誠の表情に変わった。
「御意に。ミネバ様の動向、そしてビスト財団の影、必ずや掴んでご覧に入れます。」
艦長は、モニターに映るルウムの映像を見つめた。
平和な学園都市で、今まさにいくつもの思惑が交錯しようとしていた。
そして、その中心には、眠り続けるシャア・アズナブルの影があった。




