再会 - 学園都市コロニー・ルウム (6) 予期せぬ同行者
ルウムの賑やかな市街地の一角、小さなカフェのテラス席で、アストナージ・メドッソはレイ・ナーバスと向かい合ってランチを取っていた。
二人は、穏やかな午後の日差しを浴びながら、互いの身の上話をしていた。
「ルウム戦役の時は、本当に辛かったな…。」
アストナージは、遠い目をしながら呟いた。
「俺も、モビルスーツの整備でいつも手一杯で、なかなか面倒を見てやれなくてすまないな。」
アストナージは、レイの両親が軍事医療関係者だったことを知っていた。
しかし、レイが知らない事実もあった。
レイの両親は、実の親ではなかった。
アストナージの妹が、戦災孤児だったレイを引き取ったのだ。
アストナージは、そのことを妹から聞かされていたが、レイに話す必要はないと言われていた。
(可哀想に…)
アストナージは、レイの境遇を思い、少しばかり心を痛めた。
その時、アストナージの携帯端末が鳴った。
ラー・カイラムの通信士からの緊急連絡だった。
「こちらアストナージ。どうした?」
アストナージは、端末に応答した。
『アストナージさん、至急、ラー・カイラムへ帰還してください!緊急事態です!』
通信士の声は、切迫していた。
「何があった?」
アストナージは、問い返した。
『恐らくネオ・ジオンの残党と思われるシャトルが、ルウムに接近しています!状況が不安定なため、すぐに帰還してください!』
アストナージは、レイを見た。
このままレイを置いていくのは危険だと判断した。
「分かった。すぐに戻る。…通信士、甥を連れて行っても構わないか?危険だから、一人で置いていけない。」
アストナージは、通信士に尋ねた。
『甥っ子さんですか?分かりました。艦長に確認します。少々お待ちください。』
通信が一時的に途切れた。
数秒後、通信が再開された。
『艦長から許可が下りました。ご一緒に連れて帰還してください。』
「分かった。すぐにラー・カイラムへ向かう。」
アストナージは、通信を切ると、レイに言った。
「レイ、悪いが、急いでラー・カイラムへ戻るぞ。少し危険な状況になった。」
「えっ?何があったんですか?」
レイは、驚いて尋ねた。
「詳しくは後で話す。とにかく、今は急ぐぞ。」
アストナージは、レイの手を取り、カフェを後にした。
二人は、ラー・カイラムへと続くシャトル乗り場へと急いだ。
ルウムの街に、予期せぬ緊急事態が迫っていた。




