再会 - 学園都市コロニー・ルウム (2) 会談
ルウムの一角、厳重なセキュリティで守られたビスト財団の施設。
その一室で、ビスト財団の高官、リカルド・マルチェロは、ミネバ・ラオ・ザビの到着を静かに待っていた。
重厚な扉が開き、ミネバが護衛のアウロラ・レヴィアと共に姿を現した。
「ミネバ様、ようこそルウムへ。お会いできて光栄です。」
リカルドは、ミネバを丁寧に迎え入れた。
「ご丁寧にありがとうございます。ビスト財団のリカルド・マルチェロ様ですね。」
ミネバは、リカルドの挨拶に静かに応じた。
「本来であれば、当主である代理のマルサス・ビストが直接お会いするべきところですが、急な事情により私が代理を務めさせていただきます。どうか、お許しください。」
リカルドは、申し訳なさそうに頭を下げた。
「構いません。それよりも、本題に入りましょう。」
ミネバは、リカルドの言葉を遮り、単刀直入に切り出した。
「『ラプラスの箱』について、説明をお願いします。」
リカルドは、ミネバの言葉に少しだけ目を細めた。
「ミネバ様は、その存在をご存じなのですね。」
「ええ。あなた方から接触があったのですから、当然です。」
ミネバは、リカルドの言葉を軽く受け流した。
「『ラプラスの箱』…それは、宇宙世紀の始まりに封印された禁断の箱。スペースノイドの独立を阻む、ある秘密が隠されています。」
リカルドは、ゆっくりと、しかし確実に、ミネバに語りかけた。
「スペースノイドの独立を阻む秘密…ですか。」
ミネバは、リカルドの言葉に興味を示した。
「具体的には、どのような秘密なのですか?」
ミネバは、リカルドの目をじっと見つめながら尋ねた。
リカルドは、少しだけ微笑んだ。
「その秘密は、スペースノイドの存在そのものを揺るがす可能性を秘めています。」
「スペースノイドの存在を揺るがす…」
ミネバは、リカルドの言葉に息を飲んだ。
「では、なぜ私なのですか?なぜ、私がこの箱に関わる必要があるのですか?そして、なぜシャア・アズナブル、いや、ナナイ・ミゲルではないのですか?」
ミネバは、再びリカルドに問いかけた。
リカルドは、ミネバの目をじっと見つめ返した。
「ミネバ様は、ザビ家の末裔であり、スペースノイドの象徴です。そして、何よりも…」
リカルドは、そこで言葉を切った。
「何よりも…?」
ミネバは、続きを促した。
「何よりも、ミネバ様は『可能性』そのものなのです。スペースノイドの未来を切り開く、唯一の希望。私たちは、ミネバ様にその可能性を託したいのです。ナナイ・ミゲルは、過去の象徴。ミネバ様は、未来の象徴なのです。」
ミネバは、リカルドの言葉に深く考え込んだ。
「…分かりました。ですが、覚えておいてください。私は、無意味な秘密主義を嫌います。そして、私の意志は、誰にも操れません。」
ミネバは、リカルドにそう告げた。
しかし、その場を動こうとはしなかった。
「ミネバ様、まだお話は終わっておりません。」
リカルドは、そう言い、ミネバに近づいた。
「まだ何か?」
ミネバは、リカルドを警戒しながらも、彼の言葉に耳を傾けた。
「ミネバ様には、まだお伝えしなければならないことがあります。ラプラスの箱に関する、さらに重要な情報です。」
リカルドは、そう言い、ミネバに耳打ちするように、何かを告げた。
ミネバは、リカルドの言葉に驚き、目を見開いた。
「それは…」
ミネバは、言葉を失った。
その表情は、驚愕と、深い思索に満ちていた。
リカルドは、ミネバの反応に満足したように、静かに微笑んだ。
「ミネバ様、これで、あなたもラプラスの箱の真実を知る覚悟ができたはずです。」
ミネバは、リカルドの言葉に何も答えなかった。
その瞳は、リカルドの言葉の真意を探るように、じっと彼を見つめていた。
部屋には、再び静寂が訪れた。
しかし、その静寂の裏側では、激しい議論が続いていた。
ミネバとリカルドの会談は、まだ終わっていなかった。




