序章16:接触 - 学園都市コロニー・ルウム (16) 星を見上げる者
地球。
かつての戦いの英雄は、人里離れた静かな場所で療養生活を送っていた。
アクシズ・ショックから数ヶ月。
彼の肉体は、想像を絶する負荷に耐え、奇跡的に生還を果たしたが、その代償は大きかった。
深い疲労と、精神的な消耗。
彼は、かつての鋭い輝きを失い、静かに、しかし確実に、時の流れに身を任せていた。
ある夜。
彼は、縁側に腰を下ろし、夜空を見上げていた。
満天の星々が、静かに輝いている。
その星空の奥、ルウムがある宙域を、彼はじっと見つめていた。
彼の瞳には、かつての戦いの記憶が蘇る。
ジオンとの戦い、そして、宿命のライバルとの対決。
アクシズ・ショック。
未曽有の危機を乗り越え、地球圏は一時的な平和を取り戻したが、彼の心には、拭い去れない不安が残っていた。
「…何か、始まるのか?」
彼は、小さく呟いた。
その声は、夜の静寂に吸い込まれていく。
彼は、ルウムのある宙域に、何か不穏なものを感じていた。
それは、言葉にできない、漠然とした予感だった。
しかし、彼は、その予感を無視することができなかった。
彼は、再び立ち上がる時が来ることを、心のどこかで感じていた。
だが、今の彼には、まだその力は残っていない。
彼は、ルウムのある宙域を見つめ続けた。
その瞳には、深い憂いと、微かな希望が入り混じっていた。
彼は、この静かな時間が、いつまで続くのかを知りたかった。
しかし、答えは、星々の中に隠されていた。
彼は、静かに立ち上がり、家の中へと入っていった。
彼の背中には、ルウムのある宙域の星々が、静かに輝いていた。
そして、その光は、彼の未来を、わずかに照らしていた。
それぞれの思惑が交錯する中、物語は静かに、しかし確実に、その幕を開けようとしていた。




