序章12:接触 - 学園都市コロニー・ルウム (12) ラー・カイラム艦長室
ブライト・ノアは、険しい表情で艦長室の窓から広がる宇宙を見つめていた。
数日前にカイ・シデンから入った情報は、彼の心を重くしていた。
「……連邦政府には、現状を報告した。ルウムでジオン残党とビスト財団が接触する可能性があり、ミネバ・ラオ・ザビが関与している疑いがある、と。」
通信の相手は、連邦軍の上層部の人間だった。
『了解した、ブライト艦長。しかし、現時点では確たる証拠がない以上、大規模な介入は難しい。君の判断で、可能な範囲での警戒と情報収集を行ってくれ。アナハイムからの物資受領も予定通り行うように。』
連邦政府の返答は、予想通り慎重なものだった。アクシズ・ショックからの復興が優先される今、刺激的な動きは避けたいのだろう。
「承知しました。」
ブライトは短く答えると、通信を切った。
連邦の及び腰な態度に、内心で小さく舌打ちをした。
ラー・カイラムはその後、予定通りアナハイム・エレクトロニクス社の施設へ寄港した。表向きの理由は補給だったが、真の目的は、連邦軍の次期主力機候補であるHi-νガンダムの試作機「ラビアント・エクリプス」を受領するためだった。
アナハイムのドックでは、チェーン・アギが受領の最終確認を行っていた。
ラビアント・エクリプスに加え、テストパイロットのユウ・カジマ、そして今回新たにラビアント・エクリプスのテストに参加するイアン・クロフォードとセレナ・ロッソの機体も、チェーンの手配通りに運び込まれていた。
彼らは、ユウと共にラビアント・エクリプスガンダムと、その随伴機となるジェスタの試作機ジェスタ・プロト2機とジェスタ・キャノン・プロトのテストを行う予定だった。
ルウムでの活動と並行し、これらの新型機のテストを行う準備が着々と進められていた。
また、ラー・カイラムのメカニックであるアストナージ・メドッソは、ルウム行きが決まった時から、個人的な期待を抱いていた。
ルウムには、彼の妹の息子、甥のレイ・ナーバスが住んでいる。
アナハイムでの作業を終え、ルウムへ向かう艦内で、アストナージは到着したら連絡を取ろうと改めて考えていた。
カイからの情報が示す不穏な動き。
そして、ミネバ・ラオ・ザビがルウムに降り立つという情報。
連邦政府の及び腰な対応。
様々な思惑と情報が交錯する中、ロンド・ベルはルウムへと近づいていた。
アウロラとレイの出会いが、これらの動きとどのように交錯していくのか、まだ誰も知る由もなかった。
ユウ・カジマ
作者の依怙贔屓キャラ✨ ロンド・ベルにラビアント・エクリプスのテストパイロットとして配属
一年戦争を皮切りにシャアの反乱までいくつもの戦役を潜り抜けてきた歴戦のモビルスーツパイロット。 最終階級は大佐と言われる。 士官学校卒業後、宇宙戦闘機隊に配属。
現在の階級は少尉




