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序章11:接触 - 学園都市コロニー・ルウム (11) レイの帰り道

アウロラと別れた後、レイは人混みを抜け、自宅へと続く道を歩いていた。

コロニーの夜風が少し冷たい。

ポケットに手を入れ、先ほどアウロラに渡した学園祭のチケットのことを考えていた。


(まさか、あんな風に話しかけるなんて…)


レイは、自分の行動に少し戸惑っていた。

学園でも、決して目立たない存在ではない。

スポーツも得意で、成績も悪くない。

女の子に話しかけられることもたまにあるし、告白されたことだって数えるほどではないがあった。

けれど、自分から積極的に女の子を誘ったり、ましてや一緒に街を歩いたり、学園祭に誘ったりするなんて、これまで一度もなかったことだ。


アウロラのことを思い出す。


初めて会った時の、少し冷たいような、それでいてどこか芯の強そうな瞳。

クレープを美味しそうに食べる姿や、ゲームセンターの前で少しだけ見せた興味。

話しているうちに、彼女の言葉の選び方や、時折見せる柔らかい表情に、なぜか目が離せなかった。


(一体、あれはどんな気持ちだったんだろう…)


レイは自分の胸に手を当てた。

心臓がいつもより少しだけ騒がしいような気がする。

学園の女の子と話す時とは違う、何か特別な感覚。

アウロラが自分の誘いをどう思っているのか、学園祭に来てくれるのかどうか、今はまだ分からない。

けれど、チケットを渡した時の、ほんの少し驚いたような、でも受け取ってくれた時の表情が、レイの心に小さな引っ掛かりを残していた。


(考えすぎかな…ただ、少し話してみたかっただけ、なのかも。)


そう言い聞かせようとするけれど、アウロラのことが頭から離れない。

レイは、コロニーのネオンサインを見上げ、小さく息をついた。

初めての経験に、戸惑いながらも、胸の奥に今まで感じたことのない、不思議な感情が芽生えているのを感じていた。

週末の学園祭まで、あと数日。

レイの心は、まだ名前の付けられない何かに、ほんの少し揺れていた。

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