エピローグ:1
この物語は「アクシズ•ショック」から「ガンダムU.C」の間の位置付けとし、アムロとシャアが生存していたら…とい設定で創作しています。
エピローグ:アクシズ・ショック後
アクシズ・ショックから数ヶ月。
宇宙には、目に見えない深い傷跡が刻まれていた。
連邦、そしてネオ・ジオン。
それぞれの中心人物を欠いた世界は、張り詰めた静寂の中で、新たな胎動を始めていた。
ネオ・ジオンの奥深く。
生命維持装置の微かな作動音だけが響く一室で、シャア・アズナブルは眠り続けていた。
アクシズの衝突は、彼の肉体に想像を絶するダメージを与えていた。
ナナイ・ミゲルは、憔悴しながらもその事実を隠蔽し、組織の崩壊を食い止めようと孤軍奮闘していた。
「総帥は静養中」という言葉が虚しく響く中、彼女の胸には、焦りと共に、いつかシャアが再びその赤い彗星を輝かせる日が来るという強い信念が宿っていた。
その信念が、彼女を狂気にも似た行動へと駆り立てていた。
新型モビルスーツ、ナイチンゲールの開発は、その最たるものだった。
シャアの力を再び世界に示すために。
しかし、組織内には不協和音が確実に存在していた。
シャアの側近であり、彼の思想に深く共感していた軍人、レオ・ヴァンシュタイン。
彼は、シャアが不在である今、組織を維持し、彼の帰還を待つべきだと考えていた。
ナナイが進めるなりふり構わぬ戦力増強策を、現状を無視した暴走だと感じていた。
レオの忠誠心は、シャア個人に向けられたものであり、組織の安定を願っていた。
彼は、いつか自分が先頭に立ち、シャアが戻るべき場所を守り抜くと心に誓っていた。
それぞれの忠誠は、異なる方向へと向かい始めていた。
一方、ミネバ・ラオ・ザビは、シャアの真実を知る数少ない者の一人として、深く心を痛めていた。
ネオ・ジオンの現状、そしてナナイとレオがそれぞれ異なる方向へ進もうとしている状況を憂慮したミネバは、事態を打開するために行動を開始しようとしていた。
そんな折、宇宙世紀の根幹を揺るがす秘密、『ラプラスの箱』の存在を示唆する接触が、何者かからミネバにもたらされる。
アクシズ・ショックは、それぞれの陣営の中心人物を欠くという深い傷跡を残したが、同時に、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、シャアの眠りと、動き始めたミネバ、そして彼女にもたらされた『ラプラスの箱』を巡る情報。
静かに、しかし確実に、世界は新たな局面を迎えようとしていた。




