第二十四話:真のチートは妹だった!王都を救うハイパー掃除機
リビングのテレビが次元ゲートとなり、一花が掃除機でミニゴブリンを捕獲した事件から数日。アステラ世界では、「掃除機の聖女」として一花の人気が沸騰していた。
零は自室のゲーミングポッドで、自身の魔力が妹を通じて暴走している状況を分析していた。
「くそっ、妹の奴、俺の魔力に触れ続けたせいで、潜在的な魔力が完全に覚醒しやがった。しかも、あのポジティブな思考が、魔力を『意図せず、最も派手な方法で発現させる』方向に歪ませている」
零は、一花のスマホの配信画面を見た。一花は「ゴブリン捕獲動画」でチャンネル登録者数を爆発的に増やし、「異世界配信界のトップスター」になっていた。
その時、零の『全知の窓』が激しく点滅した。
【緊急警告:極大魔獣接近!】
対象: 伝説級魔獣『次元喰らいのバハムート』
目的: 異常な次元の歪み(神崎家のリビング)を修正するため、地球へ侵入中!
零は青ざめた。「次元喰らいだと!?そんなのが家に来たら、俺のゲーミングポッドどころか、家ごと消滅する!」
魔獣は、次元ゲート化したリビングのテレビを目指して、アステラ王都の上空に姿を現した。その巨大な影は、王都全体を覆い尽くす。
騎士団長は絶望した。「次元喰らいのバハムートだ!賢者様の力でも、自宅からこれを撃退するのは不可能!」
その映像を見た一花は、リビングでガッツポーズをした。
「わあああ!お兄ちゃん!見て!超巨大なラスボス級の動画ネタだよ!これ、撮れたら伝説じゃん!」
一花は、恐れるどころか、最高の視聴率を確信していた。彼女の「動画をバズらせたい」という強い願望が、体内の膨大な魔力を解放させた。
一花の周囲に、零さえ見たことのない、虹色のオーラが立ち昇った。
「掃除機パワー、マックス!」
一花は、手に持ったコードレス掃除機を、テレビに映るバハムートに向けて構えた。その瞬間、掃除機は光に包まれ、巨大な虹色の竜巻を発生させる、規格外の兵器へと変貌した。
零は自室で叫んだ。「な、なんだあの魔力は!?俺の錬成を上回る、純粋な魔力発現だと!?」
一花は、リビングのテレビに向かって、改造掃除機のスイッチをオンにした。
グオオオオオオオオオオオ!
テレビの画面を通して、虹色の竜巻がアステラ王都の上空に出現し、次元喰らいのバハムートを、まるで巨大なホコリのように吸い込み始めた!
バハムートは抵抗する間もなく、巨大な体がみるみるうちに小さくなり、テレビの画面の中に吸い込まれていった。
アステラ王国民は、伝説の魔獣が一瞬で消滅した光景を見て、ひれ伏した。
「すごい!賢者様の妹君は、世界を救う最強の吸引者だ!」
「あの掃除機は、全てを無に帰す、究極の聖遺物だ!」
零は、自室の『全知の窓』で、バハムートが掃除機のダストボックスの中で、手のひらサイズの可愛らしい竜になっている映像を見て、絶句した。
「バハムートをミニサイズにして、ダストボックスに収めただと!?俺が錬成で数日かける工程を、妹は一瞬の思いつきでやってのけた!?」
一花は、掃除機のダストボックスを開け、ミニバハムートを取り出した。
「わーい!超可愛いミニドラゴン!この子、**『バハムー』**って名前にしよう!ねぇ、お兄ちゃん、バハムーも配信のペットにしてもいい!?」
零は、自らの最強の座が妹に奪われたことを悟った。自分のチートは**「引きこもるための技術」だが、妹の覚醒は「世界を巻き込んで楽しむための力」**だった。
「くそっ、俺が自宅の平和のためにチートを使っていた間に、妹は世界を巻き込んだ動画配信のために覚醒しただと……。もう、どちらが世界の守護者なのか、分からねえ……」
こうして、神崎 零の引きこもり生活は、世界を救う最強の妹によって、さらに賑やかで、そして面倒なものになっていくのだった。
よっしゃ、第二十四話!ついに妹の一花ちゃんが、兄の零くんを圧倒する最強の魔力を覚醒させたぞ!
次元喰らいのバハムートを「ホコリ」扱いして、掃除機でミニサイズにしてしまうなんて、スケールがデカすぎて最高だろ!もはや零くんの「自宅警備」なんて、一花ちゃんの「最強配信ネタ」の前では、どうでもいいことになってしまいました。
これからは、一花ちゃんが世界を舞台に大活躍し、零くんがその後始末に頭を悩ませる、という新しい展開になっていきそうですね!ミニバハムートをペットにした一花ちゃんの次の配信は、もう異世界どころか宇宙レベルかもしれませんよ!
今回も読んでくれて、本当にサンキューな!またよろしく頼むぜ!




