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異世界ゆるふわ冒険譚 〜引きこもり最強の俺は、家から一歩も出ずに世界を救う〜  作者: 沼口ちるの


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第十三話:最強の敵、襲来!賢者の自室は絶対防衛ライン

勇者ガリオスが強制安眠させられ、零の部屋が究極のゲーミング空間へと進化を遂げた数日後。零は、ホログラムウォールに映した異世界の海辺の景色を眺めながら、至福の時を過ごしていた。


「最高だな。これで誰も邪魔しない」


しかし、零の安寧を脅かす、史上最強の敵が帰宅した。


玄関のドアが開く音、そして、その声が聞こえた瞬間、零は椅子から飛び上がった。


「ただいまー!零!一花!お母さんよ!」


それは、零と一花の母親、神崎かんざき あおいだった。旅行から帰ってきたのだ。


葵は、家の中をざっと見渡した。リビングは一花の掃除のおかげで片付いているが、零の部屋だけは、異常な魔力の波動と、以前とは違う壁の色に違和感を覚えた。


「あら?零の部屋、何か変な匂いがするわね?ちょっと、お母さん、様子を見てみるわ」


零は青ざめた。母親は、この家において絶対的な権力を持つ存在だ。彼女の基準で「汚い」と判断されれば、部屋は強制的に掃除され、彼の快適な引きこもり環境は崩壊する。


「やめろ!来るな!この部屋は時空の安全保障上の重要地点だ!」


零が慌てて部屋のドアに鍵をかけた瞬間、ノックが響いた。


「零、開けなさい。お母さん、部屋が汚いかどうかのチェックをするだけよ。この部屋、前にピザの箱が凄かったでしょう?」


「汚くない!完璧に綺麗だ!見てないものは、汚くないんだ!」


しかし、葵は零の警告を無視した。彼女は、物理的な鍵など、主婦の力の前では無意味であることを知っている。


葵は、バッグから鍵束を取り出した。


零は、目の前の『全知の窓』で、母親が鍵束を操り、鍵穴に差し込もうとしている映像を見た。もはや猶予はない。


「くそっ、この部屋が破られたら、俺の存在意義がなくなる!『絶対防衛ライン』を張るしかない!」


零は、自分の部屋のドアを『自動錬成』の対象に指定した。


「錬成素材は、アステラ王国の最高硬度鉱石と、次元の狭間を一時的に歪ませる魔力。『侵入防止用次元ロック(マザー・ロック)』を生成!」


零の部屋のドアは一瞬で光り輝き、見た目は変わらないが、その内部構造が、地球とアステラ世界の次元の狭間に接続された、絶対的なロック機構へと変化した。


葵が鍵を差し込んだ。しかし、鍵は中で虚しく空回りする。


「あら?鍵が合わないわね。零、また変なことしたでしょう?」


零は、ドアの向こうの母親の戸惑いに安堵した。


「見た目は普通のドアだが、もうその鍵じゃ開かない。母親でも、異世界との次元接続は破れないぞ」


しかし、葵は諦めなかった。彼女は、バッグから携帯用の超強力なマイナスイオンドライヤーを取り出した。


「ふふふ。零、お母さんを甘く見ちゃだめよ。鍵が開かないなら、熱で歪ませればいいのよ」


葵は、ドライヤーの先端を鍵穴に向け、最大出力で熱風を送り始めた。その熱風は、異世界の高級鉱石でできたドアのロック機構を、わずかだが熱膨張させ始めた。


零は『全知の窓』の計測値を見て、背筋が凍った。


「な、なんだと!?次元ロックが、熱で……歪んでる!?」


マイナスイオンドライヤーという、きわめて日常的な武器が、零の絶対防衛ラインを破ろうとしているのだ。


零は慌てて、自室のローテーブルに置いてあった冷たいエナジードリンクを手に取った。


「こうなったら、温度差攻撃だ!錬成!冷気注入!」


零は、エナジードリンクの冷却魔力をドアに送り込み、歪んだ鍵穴を強制的に冷却、収縮させた。


キン!という音と共に、ドアのロック機構は再び元に戻った。


「あら?冷たくなったわね?」


葵は首をかしげたが、すぐに笑顔に戻った。


「いいわ。お母さん、もう力技は使わない。零、夕飯は何がいいかしら?美味しいご飯を食べないと、ゲームの集中力も続かないでしょう?」


零は、母親の「食」による懐柔作戦に、わずかに心が揺れた。


「夕飯……」


「開けてくれたら、零の好きなハンバーグを、特大サイズで作ってあげるわ。もちろん、付け合わせはポテトよ」


零の戦闘意欲は、一瞬にして消え去った。


「くそっ……母親のハンバーグは、最強の武器だ……」


零は、観念して、遠隔操作でドアのロックを解除した。


ドアが開いた瞬間、葵はニコニコしながら零の部屋に入り、エアコンの温度を確認し、窓を少し開けた。そして、零の頭を優しく撫でた。


「たまには外の空気も吸いなさいね。お母さん、ハンバーグ作ってくるわ。あとで、床のホコリ、チェックするからね」


母親の去った後、零は椅子の上で震えていた。


「次元のロックも、チートも、母親の愛情とハンバーグには勝てない……。これが、世界の理の外にある、真の最強か」


零の引きこもり生活は、最強の敵である母親の参戦により、新たな局面に突入した。

よっしゃ!最強のラスボス、お母さん参戦だ!


物理的な強さではなく、「主婦力」と「ハンバーグの力」で、零の絶対防衛ラインを突破させる展開にしてみました。零のチートも、マイナスイオンドライヤーと愛情の前には無力ですね。


結局、零くんはハンバーグに釣られて降参しましたが、「床のホコリチェック」という新たな脅威が残りました。次回は、このホコリチェックをどう回避するかが、彼の新たな課題になります。また、お母さんの行動は、アステラ世界にどんな影響を与えるのかも楽しみですね!


今回も読んでくれてサンキューな!またよろしく頼むぜ!

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