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異世界ゆるふわ冒険譚 〜引きこもり最強の俺は、家から一歩も出ずに世界を救う〜  作者: 沼口ちるの


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第十二話:超進化ゲーミングルームと、初めての公認配信

妹の一花が配信で稼いだ莫大なアステラ・ゴールドは、すぐに零の自室改造計画に投入された。零は、自室にいながら『全知の窓』と『自動錬成』を駆使し、異世界の最高級素材を地球の最新技術に融合させた。


一週間後、零の部屋は生まれ変わった。壁は、気分に応じて異世界の美しい風景や、ゲームのダンジョン内部の映像を投影できる超高解像度ホログラムウォールに。床には、歩くだけで足裏のツボを刺激し、血行を促進する異世界鉱物配合マット。そして、中央には、宇宙船のコックピットのような最新型ゲーミングポッドが鎮座していた。


「……ふむ。悪くない」


零は、マッサージ機能付きのレザーチェアに深くもたれかかり、巨大モニターを眺めた。快適さは以前の十倍になった。


「さて、一花。契約通り、公認チャンネルの第一回配信を始めるぞ」


一花は興奮して、零の部屋の片隅に座り、スマホではなく、零が錬成した超小型の浮遊カメラを操作している。


「タイトルは、『賢者直伝!アステラ王国民の美容と健康を考える』でどうかな?」


「却下だ。そんな面倒くさいテーマはなしだ。今日のターゲットは勇者ガリオスだ」


零は『全知の窓』で、勇者ガリオスを映し出した。ガリオスは連日の戦いで疲労困憊し、零にもらったゲーミングチェアで休憩中だった。しかし、彼の顔色は優れず、目元にはクマができていた。


「勇者が疲弊してると、俺に面倒なクエストが回ってくる確率が高まる。これは緊急メンテナンスだ」


零は、配信用のホログラム画面を王都の上空に展開し、配信を開始した。


【賢者公認チャンネル・ライブ配信】


タイトル: 賢者直伝!疲労困憊の勇者ガリオスに捧ぐ、究極の安眠導入法


実況者(一花)の声): 「こんにちは!公認チャンネルです!今日のテーマは、過労気味の勇者様のメンテナンスです!」


アステラ王国民は、王都上空に現れた巨大なホログラムと、賢者の妹の明るい声に熱狂した。


零は、画面越しにガリオスに向けて語りかけた。もちろん、ガリオスには零の声は聞こえない。王国民にだけ聞こえる公的な放送だ。


「ガリオス。お前は疲れている。疲労を放置するのは、世界の危機よりも深刻な問題だ。そこで、俺が究極の安眠をサポートしてやる」


零は、自分の周りにあったアロマオイルの小瓶をターゲットに『自動錬成』を発動させた。


「錬成素材は、異世界の高級リラックスハーブと、強制的に夢の世界へ誘う魔物の睡眠ガスを微量配合。『強制安眠スプレー』を生成!」


生成されたスプレーは、零の快適なゲーミングポッドの周囲に拡散した。零は深呼吸し、「うむ、いい香りだ」と満足した。


そして、零は『次元郵便』で、その『強制安眠スプレー』の霧を、ガリオスが休憩している部屋全体に、薄く、均一に拡散させた。


ガリオスは、椅子の上でウトウトしていたが、急に部屋中に広がる甘い香りに包まれた。


「なんだ、このいい香りは……?」


ガリオスがそう呟いた瞬間、彼は強力な眠気に襲われ、ゲーミングチェアの上で、まるで赤子のようにグッスリと眠り込んでしまった。いびきが部屋に響き渡る。


王国民は、その様子をホログラムで見て熱狂した。


「すごい!勇者様があんなに幸せそうな顔で眠っている!」


「さすが賢者様!究極の安眠を授けてくださったのだ!」


一花は、その様子を実況しながら、テロップを表示させた。


一花テロップ: 「賢者様からのお言葉です!『勇者は寝ろ。話はそれからだ』とのことです!」


零は満足げに腕を組んだ。


「よし。これで三日は起きないだろう。三日間は、俺に面倒なクエストが来ることはない。完璧だ」


かくして、賢者、神崎 零の自宅警備の日常は、妹とのコラボ配信と、異世界への迷惑行為によって、ますます賑やかになっていくのだった。

よっしゃ、第十二話、楽しんでいただけたでしょうか!


今回は、零くんの部屋がグレードアップし、妹との最強タッグが結成されました。もう零くんの行動原理は「引きこもり安寧のためなら、勇者だろうが魔王だろうが寝かせる!」です。


「強制安眠スプレー」の材料に魔物の睡眠ガスを使うあたりが、零くんの雑なチートの使い方ですね。勇者ガリオスも、まさか自分が世界中に寝顔を公開されているとは思っていないでしょう。リリアーナさんが、後で王様になんて説明するのか、考えるだけで面倒くさい(笑)。


次回は、勇者ガリオスの安眠を知った魔王軍の残党が、この「強制安眠スプレー」を手に入れようと、とんでもない行動を起こすかもしれませんよ!


読んでくれてマジでサンキューな!またよろしく頼むぜ!

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