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第17話 いつまでも続く絆

 出発の前日、僕たちは生徒たちや人間の友達に挨拶に行った。


「先生、寂しくなります」


 メルちゃんが涙目になっていた。


「すぐに帰ってくるからね。その間、みんなで研究所を守っていてくれる?」


「はい!頑張ります!」


 カズくんも元気よく返事した。


「僕たちが学んだことを、他のプログラムたちにも教えてあげるんだ」


「ありがとう。君たちがいてくれれば安心だよ」


 人間の佐藤さんも見送りに来てくれた。


「田中、気をつけてな。君たちの冒険が、また新しい発見をもたらしてくれることを期待してる」


「ありがとうございます。きっと素晴らしい報告を持って帰ります」


 次元間通路の前で、僕たちは最後の準備をしていた。


「みんな、準備はいい?」


 僕が確認すると、仲間たちが頷いた。


「いつでも大丈夫よ」


 セキュ子さんが頼もしく答えた。


「新しい世界での感情分析、楽しみだなあ」


 エモ太くんもワクワクしている。


「どんな暗号化技術が必要になるか、興味深い」


 クリプトくんも準備万端だった。


「私たちも一緒よ」


 クアンタちゃんとシュレ兄弟も並んだ。


「この協力関係を、新しい世界でも広げていこう」


 プロメテウスさんが力強く言った。


「そして私も、君たちから多くを学ばせてもらおう」


 ビット王も微笑んでいた。


 僕は振り返って、これまでの冒険を思い出した。


 人間だった頃は想像もできなかった、こんな素晴らしい仲間たちとの出会い。


 デジタル世界での新しい生活。


 ブラックハット軍団との和解。


 量子世界の発見と友情。


 そして今、新しい冒険の始まり。


「ありがとう、みんな」


 僕は心から言った。


「僕一人では、何もできなかった。でも、みんながいてくれるから、どんな困難も乗り越えられる」


「こちらこそ、雄介」


 セキュ子さんが僕の手を握った。


「君がいてくれるから、私たちも新しいことに挑戦できるのよ」


「そうだよ!雄介くんは僕たちのヒーローだ!」


 エモ太くんが嬉しそうに言った。


「ヒーローなんかじゃないよ。僕たちはみんな、お互いのヒーローなんだ」


 僕は仲間たちを見回した。


「一人一人が特別で、一人一人が大切。そしてみんなで力を合わせれば、どんな奇跡も起こせる」


 オラクル様が最後の言葉をくれた。


「君たちの友情と勇気が、新しい世界にも希望をもたらすだろう。行ってらっしゃい」


「行ってきます!」


 僕たちは手を繋いで、次元間通路に向かった。


 扉が開くと、虹色の光に包まれた。


 未知の世界への入り口だった。


 でも、恐くはなかった。


 大切な仲間たちがいてくれるから。


 これまでの冒険で学んだことがあるから。


 そして何より、どんな世界でも、理解し合えば友達になれることを知っているから。


「新しい冒険の始まりだね」


「みんなで一緒に頑張ろう」


「どんな世界が待ってるかな?」


「きっと素敵な出会いがあるよ」


 仲間たちの声が、光の中に響いた。


 僕、田中雄介は、プログラムとしての第二の人生で、本当の幸せを見つけた。


 それは友情。


 それは理解。


 それは協力。


 そして、それは永遠に続いていく冒険心。


 光の向こうで、新しい世界が僕たちを待っている。


 新しい友達との出会いが待っている。


 新しい学びと成長が待っている。


 僕たちの物語は、まだまだ続いていく。


 みんなで手を取り合って、笑顔で歩いていこう。


 どんな世界でも、どんな困難でも、きっと乗り越えられる。


 だって、僕たちには友情という最強の魔法があるんだから。


 第二部 完

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