始まり…
この日はSIAの任務でとあるデータを入手しに廃港にある一番大きな倉庫の目の前にきていた。
以前から何度かあった詳細を聞かされない任務。データを収集しそのデータをワタルに渡す、今回もそのような任務だ。
と言っても今回、道中や倉庫内に人の気配がしない。詳細を聞かされない任務には決まって誰かがいたがこの廃港には人っこ一人いる気がしない——
怪しさを感じつつも倉庫内へと入るも中には複数のコンテナが収納されていた。そのコンテナはいくつか空いているがいくつかは閉まっている。
「これって明らか罠だよね……。はぁ、それじゃ宝感のない宝探しスタート」
エヴァンはまず開いてる倉庫を一周しながらコンテナの中身を見たが当然何もない。一周して気づいたが地面には配線らしきものが見つからない、懐中電灯で照らしながら天井も見たけれど天井にも配線は見つからない。
さてはと思い倉庫を出て周りを一周したけれど配電盤はあったが長年使われていない倉庫だから配電盤じたい壊れて使い物にならない。
「これってマジで最悪。こっから一つ一つ中を見る作業が始まる、飽きずに見てね」
再び倉庫に入り閉まっているコンテナを開ける。コンテナは雨漏りで錆びていてかなり開けづらかった。
これを数十回繰り返すと考えると……いやムリムリムリだった。
そこでエヴァンんは考えた「誰かがカチコチのこれ開けたなら形跡が残ってるはずだ」開けたコンテナの足元を見ると中央からサイドにかけて扇型の傷がついている。
「なんだよ、最初からこれ探せばよかったじゃん」
コンテナは縦にも積まれていて三段ほどあったが人がその高さを開けれるとは思えなかったエヴァンは一段目のコンテナを傷を目印に開けていく。
扇型の傷が地面にあるコンテナを見つけ開ける、けれどそこには何もない。
「これを繰り返す、地味な作業だ。……この間にみんなに聞きたいんだけど、この文前より読みやすいか? 作者が聞きたがってた。よかったらコメントに書いてくれ、あいつがフィードバックするってよ。それと評価もよろしくな」
数分たちいくつか地面に傷があるコンテナを開けたが全部何もなかった。
そして六個目のコンテナ、それを開けると見たこともない機械があった。
若干光っているけれど見た目じゃ何か判断できない。確かなことは配線が上へ繋がっている、と言うことはこの上の段もしくはその上の段にコンピューターがあるかも知れないと言うことだ。
「面倒なことしてくれんじゃん」
エヴァンはこの機械がなんなのかを知るために詳しく調べるが、配線がつながっている以外にこれといったのがない。ボタンもないし液晶もない、ましてや他配線を繋ぐための挿入部すらない。そこそこの大きさのある台形の物体だ。
とりあえずこれは置いておいて見つけた配線を辿り一つ上のコンテナを時間をかけて開けるがそこには何もなかった。
どう考えても一番開けずらいであろう三段目のコンテナ、エヴァンは持ち前の身体能力をいかし三、四人分あるコンテナと壁の間を壁キックで登り三段目のコンテナに登った。
そして一段二段と開けたコンテナの前まで向かう。目の前まで着き持っていた紐に爪をくくりつけた。
コンテナのロックを外し、扉を開ける。開けるとき今までのコンテナとの違いを感じた、そう今までのより断然扉が開きやすい。
「やっと当たりだ。結構時間かかったな」
開けたコンテナの中には狙いのコンピューターがあった。早速中身をコピーしようとUSBメモリを差し込もうとしたら、メールが届いた。その瞬間コンピュータ―が勝手にそのメールを開いた。
どうしても目に入ってくる内容。それを読んでしまったエヴァンは今までに感じたことがない危機を感じ、メールの内容とコンピューターの中身を全てUSBメモリに入れた。
コピーが終わりコンテナを出ようと後ろを向くと、頭に強烈な痛みが走りそのばに倒れた——