表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/76

第76話マリア救出編⑮

「うまくいったな。ノエルが言ったこと信じてたし、あとはマリアの居場所さえ分かれば」

 ノ―ムがノエルの肩の上で話す。

「油断は禁物。グレイ大隊長は単純だけど、クール連隊長は一筋縄にいかないから。ノ―ムも姿を見破られないように注意して」

「わかってるって」

「さあ、マリアがどこにいるか調べよう」

 ノエルは小声でささやきながら通路を足早に進んだ。


 

「バーリー中隊長! ご無事でしたか!」

 訓練の手を止め、弓兵部隊の兵士たちがノエルの周りに集まった。

「心配かけてすまない。見ての通りピンピンしてる。任務明けで早速訓練とは熱心だな」

「いえ。自分たちが弱いばかりに、中隊長を……申し訳ありませんでした」

 副長が泣きながら頭を下げた。

「副長のせいじゃないさ。もちろんお前たちのせいでもない。任務遂行は最優先事項だ。気にするな」

 ノエルの優しい一言に、隊員たちが涙を流す。

「中隊長、さぞお疲れでしょう。ゆっくりお休みください」

「ああ、そうさせてもらうよ。ところで副長、マリア・バンフォードはどうなった?」

「たしか、ウォルター中隊長が収容所へ搬送したはずです」

「そうか。それだけ気になってね。任務は無事成功というわけだな」

「はい。バーリー中隊長が襲撃を防がれたお陰です!」

 兵士たちからノエルを称賛する声が上がった。

「ははは。担ぎ過ぎだぞ。私をおだてても酒くらいしかおごってやれないぞ」

 ノエルは笑いながら手を振り、訓練場をあとにした。


「ノ―ム、聞いてた?」

「おうよ! ばっちりな」

「ノ―ムはハルトたちに知らせて。私はマリアが収容所のどこにいるか調べるから」

「任せたぜ!」

 ノ―ムが勢いよく飛び立った。



 ノ―ムと別れたノエルは収容所へ足を運んだ。収容所は高さ3メートルの外壁で周囲を囲まれており、等間隔に設置された見張り台に常駐する兵士が、交代で24時間監視をしている。


(マリアの居場所が分かったとしても、この警備体制をかいくぐって脱出するのは至難の業だな……)


 ノエルが収容所の警備をさりげなく確認しながら進んでいく。ノエルは兵士に案内されて施設内に足を踏み入れた。

 しばらくして、髪を短く刈り上げた大柄な男がやってきた。


「初めまして。所長のトーマス・ジャクソンです」

 男は気さくな態度でノエルにあいさつした。

「王国騎士団第4連隊グレイ大隊所属のノエル・バーリーです」

「バーリー中隊長殿、今日はどういったご用件で?」

 ノエルの着けている腕章を確認したトーマスが笑顔で尋ねる。

「ウォルター中隊長が搬送したマリア・バンフォードの様態を確認したいのですが」

「面談を希望されるということでしょうか?」

「いえ、ほんの少し様子を見たいだけです。彼女が暴れたとき、私が取り押さえたのですが少々無茶をしてしまったもので」

「なるほど、そういうことですか。では、部下に案内させましょう」

 トーマスはすぐに快諾し、ノエルを案内するよう部下に指示を出した。


(意外だな。断られると思ったが。これでマリアの収容されている房を確認できる)


 ノエルは案内する兵士のあとについて歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ