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第70話マリア救出編⑨

「やぁぁぁぁ!」

 ベネディクタがレイピアを振りぬいた。

「くっ」

 とっさに反応したノエルが大弓を使って防御する。レイピアと大弓がぶつかり合い、衝撃火花が飛び散った。

「ハルト、攻撃が来る!」

「分かってる」

 ハルトが地面に足をついてブレーキをかけ、瞬時に方向転換した。


「炎よ、我が弓に力を! フレイムアロー!」

 ノエルが大弓を構えて詠唱する。


「ハルト、真っすぐ行って! この距離なら私たちの方が速い!」

「行くぞ!」

 ベネディクタがレイピアを構え、ハルトと共に超低空飛行でノエルに向かっていく。


「エクスプロードショットォォォ!」

 ノエルが叫んで矢を射抜く。それよりも早くベネディクタのレイピアがノエルの右太ももを貫いた。

 太ももから血を流し、ノエルが地面に崩れ落ちる。


「あなたの負けよ。止血しないと命にかかわるわ。このまま手を引きなさい!」

 ベネディクタがノエルの首にレイピアを突きつける。

「まだ負けてないさ」

「負け惜しみだな。おとなしく――」

 ハルトの言葉をさえぎるかのように、大きな爆発音が響いた。

「なにこれ!?」

「クソッ。やられた。ノエルが狙ったのは俺たちじゃない」

 爆風が吹き荒れ、立っていられなくなったハルトとベネディクタが地面に身をかがめる。


「ハルトぉぉぉ! シルフがやられたっ。クソ!」

 ノ―ムが爆発で負傷したシルフを抱きかかえて叫ぶ。

 合体魔法の砂嵐が解除され、自由の身となった兵士たちがマリアめがけて駆けていく。

「ハルト、行って! ノエルは私に任せて」

 ベネディクタの言葉と同時にハルトが飛び立つ。

「させるかよっ!」

 ハルトが両手をかざし、地属性魔法を発動させる。

 振動した地面が大きく隆起し、襲い掛かる200人の兵士を転倒させた。

「出でよゴーレム!」

 地面に浮かび上がった魔法陣から2体のゴーレムが出現し、兵士たちに向かっていく。

 

「ハルトっ。こんままじゃシルフがマジでやばいって! 火傷がひどすぎる。私をかばったせいで……」

 ハルトの元に飛んできたノ―ムが取り乱し、涙を流す。


(もうSランクポーションは無い。戦闘が長引けばシルフがもたない。3人を連れて飛んでもすぐ追いつかれてしまう。どうすれば……)


「ハルト、この場から撤退して」

 マリアがハルトの両手を握る。

「マリア……」

「助けに来てくれてありがとう。来てくれるって信じてたよ。だから、もう行って。私のせいで、これ以上みんなを傷つけたくないの」

「マリアのせいじゃないだろっ。悪いのはアイツらなんだ!」

「うん、そうだね。私、あきらめたわけじゃないよ。それに今、アデリナを守ってあげられるのは、私しかいないから」

 マリアは自分に寄り添う小さな少女を優しい目で見つめた。

「どこへ行こうと絶対に探し出す! 必ず、必ず助けに行く」

 ハルトがマリアの瞳をジッと見つめる。

「うん。ベネディクタに『ありがとう。助けに来てくれて嬉しかった』って伝えて。あ、あと『戻ったらダイエットしてベネディより綺麗になってやる!』って言っといて」

 マリアが悪戯っぽく笑った。

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