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第64話マリア救出編③

「長いこと精霊やってると色々なことがあり過ぎて忘れちゃうのよね。あぁ、私も人間みたいにジョブチェンジできたらいいのになあ」

「精霊を仕事みたく言うなっ」

 ハルトがツッコむ。

「あ、ハルトの師匠なら何か知ってるんじゃない?」

「そうだな。あの人は博識だからな。漆黒の魔石については、マリアを助け出してから考えよう」

 全員がハルトの意見に同意する。


「マリア救出作戦なんだが、先遣隊が救出成功した場合のAプランと失敗した場合のBプランを考えておきたい」

「救出成功後、俺がマリアとベネディクタを連れて飛行魔法で撤収する。3人以上の飛行は速度が低下するが、追いつかれる心配はない」

 オリバーの提案にハルトが意見を述べる。

「分かった。Aプランはそれでいこう」

「事態が落ち着くまで、マリアはランジェリーショップ『シェーン』でかくまってもらうことになってる」

 ハルトが補足する。

「町のギルドも全面協力してくれる手はずだ。心強いよな」

「ベックが頑張ってくれたお陰ね。ありがとう」

「いや、俺なんか全然ですよ」

 ベネディクタに礼を言われ、ベックが照れながら頭をかいた。


 王国騎士団に歯向かうことは、国王ひいては国にたてつくことを意味する。本来であれば協力を拒まれて当たり前の状況である。しかし、ベックの誠意ある働きかけで町のギルドは全面協力を約束してくれた。

 マリアがゴブリン殲滅クエストにおける、冒険者と町を救った英雄であることも大きな理由であった。

 ルドルフの住民は、マリアを拉致した騎士団に不信感を抱き、怒りさえ覚えていた。モンスター化したミラーにより町の平和を脅かされ、同じ騎士団の一員であるベネディクタとオリバーをおとしめたからである。

 ルドルフの町全体はマリア救出作戦に向けて一致団結し、その一体感はハルトたちにとって追い風となっていた。


「失敗した場合のBプランはどう考える? 俺は、無茶な戦闘を避けて一旦引くべきだと思う。後続の俺たちが加勢するには時間がかかり過ぎる。マリアを人質に取られている以上、向こうが圧倒的に有利だからな」

「オリバーの意見に賛成するわ。失敗したら体勢を整え、4人で作戦を実行すべきだと思う。その場合、おそらく王都へ潜入することになり得るから」

 ベネディクタの言葉に、ハルトとベックが頷いた。


「最後に聞いておきたいんだが、ベネディクタとオリバーは本当に良かったのか? もう騎士団に戻れないどころか、逆賊として扱われるかもしれない。2人は貴族で家や領地だってあるだろ?」

「あったりめぇよ! 水臭いこと言うなって」

「おわっ」

 オリバーがハルトの背中を豪快に叩いた。

「出会ったばかりだけれど、マリアは私の親友よ。必ず助け出すわ!」

 ベネディクタの表情に強い意志が見える。

「これは推測だが、奴らには陰謀があり、何らかの目的のために動いてる。指示を出してるのは大隊長より上の人間だ。黒幕を見極める必要がある」

「今回の一件に関わっているのが一部なのか、それとも王国騎士団そのものなのか?  敵の素性が分からない以上、私とオリバーが騎士団と接触することは避けないと」

「2人ともありがとう。必ずマリアを助け出そう!」

「オォォォ!」

 ハルトの声で、4人は拳を振り上げた。

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