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第56話ランガの森ダンジョン編㊲

 ベネディクタがゆっくり歩みを進めミラーに向かっていく。

「我は人を超越した! もはや神である! 小細工など通用せぬわっ」

 ミラーが怒声を張り上げ、ベネディクタに巨大なツルを叩きつける。

「ハハハハ! 見掛け倒しがっ。ぺしゃんこに潰れ――」

 巨大なツルが細切れになり肉片が転がる。

 絶句したミラーが慌てふためき、ベネディクタを探す。

「ど、どこだ! どこへ行った!?」

「遅いわ」

 ミラーの背中でベネディクタの声がした。

「ぐあぁぁぁぁっ!」

 ベネディクタのレイピアがミラーの体を貫いた。攻撃速度がミラーの自己再生速度を上回り、傷の修復を許さない。

 ベネディクタの連続攻撃を阻止しようと巨大なツルが猛スピードで伸びる。迫る巨大なツルを瞬時に切り刻み、ベネディクタがミラーから離れた。


「すごい! ミラーを完全に圧倒してる。移動速度、攻撃速度が大幅にアップしてる!」

「攻撃力もね」

 マリアを狙った巨大なツルの攻撃をベネディクタが一瞬で跳ね返した。

「フハハハ! やはりその小娘の魔法陣は限界のようだな。その場から一歩も動けまい」

 ミラーがマリアに向けて攻撃を続ける。ベネディクタがマリアをかばい、迫りくる巨大なツルを切り刻む。

「ベネディ、私は大丈夫だから行って! スキルの制限時間が……」

「私がマリアを守る」

「でも、このままじゃ……」

 マリアが悔しそうに拳を握りしめる。

「そして、ミラーを仕留める」

 ベネディクタが静かに答えた。

「えっ?」

 襲い掛かる巨大なツルを目前に、レイピアを下ろしたベネディクタを見てマリアが驚く。

「ハハハハ! なすすべなく、戦意喪失かぁ? 今、楽にしてやるっ」

 何本もの巨大なツルがベネディクタを襲う。瞬時に魔法陣が盾となり、衝突したすべてのツルが破裂するように砕け散った。

「私の下着に自動防御機能があることを忘れたの?」

「うぐっ……ツルが再生しないだと!」

「修復が追いついてないようね。再生が不完全な状態で魔法陣に衝突したせいよ」

「ば、バカなっ。神となった我が小娘ごときに遅れをとるなど……」

 ミラーが顔を歪ませる。

「本当、ハルトには感謝しないといけないわね」

 ベネディクタが振り向き、マリアにウィンクした。

 ベネディクタの構えるレイピアに白い光が灯る。

「フラッシュトラストォォォ!」

 レイピアから放たれた突きが閃光となって一直線に伸びていく。ベネディクタのスキル攻撃がミラーの太い首を貫いた。

「グアァァァァァッ!」

 ミラーの断末魔がダンジョン内にこだまする。

 ベネディクタのレイピアがより一層強い光を放ち、ミラーの首を跳ね飛ばした。

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